
法律家として16年間の経験を積み,ちょうど検察官,弁護士としてそれぞれ8年間ずつ刑事実務に携わった2009年の9月,中村国際刑事法律事務所(NICD)は設立されました。時あたかも裁判員裁判が新しい刑事裁判制度として始まったばかりの頃で,足利事件にみられる冤罪事件など,刑事事件に対する国民の関心は高まりつつありました。一方で,裁判員裁判第1号事件の担当弁護士がいみじくも言ったように,国家的プロジェクトとして裁判員裁判に取り組んでいた検察庁と,相変わらず個人商店のままの刑事弁護人との闘いは,「戦車 対 竹槍」に例えられる状況にありました。このような状況を打開し,少なくとも「戦車 対 戦車」のレベルにまで刑事弁護の能力を高めようとチャレンジしているのがNICDなのです。
また,刑事企業法務分野に目を向けると,公益通報者保護法制の成立を機に,企業内での内部通報の扱いやそれに伴う社内調査の適正運用の必要性も高まり,企業不祥事防止を目的としたコンプライアンス経営の重要性も広く認識されるようになりました。しかし,内部通報の取扱いや社内調査の手法に関するルールは未だ確立されておらず,これらの問題が企業のリスク・マネジメントに大きく関わるにも関わらず,企業によってそのノウハウの蓄積にばらつきがあるのも確かです。NICDは,企業が刑事事件に巻き込まれるのを防止し,万が一巻き込まれた場合にあっても企業の倒産リスクを最小限にするために,企業の楯となって,必要な法的助言を提供し,併せて,健全な企業精神の再構築に一役買いたい。このような志をもって活動しているのがNICDなのです。