‘刑事弁護’ カテゴリーのアーカイブ
冤罪はなくならない?
2010年3月26日 カテゴリー:刑事弁護
今日,3月26日,宇都宮地裁で,菅家さんに無罪が言い渡されました。
冤罪を生む司法の構図を改めて考えてみる必要があると思います。
菅家さんの事件は,DNAの正確性が決定的に誤判に作用した事例ですが,やはり,「自白」も大きな誤判の原因でしょう。
この虚偽自白の改善のために,日弁連をはじめとして法曹界・政界では「取調べの可視化」の議論が勢いを増しています。
ただ,あの録音テープを聴いて,「虚偽自白」を強いられていることを見抜ける人がどれだけいるでしょうか?
「やっていません。」という否認に対し,これを「罪を免れたいがための否認」なのか,「本当にやってないがゆえの否認」なのか,見分けるのは難しいので す。これは私の検事経験から言えることです。
この難しさは,たとえこの取調べのやりとりが「録画録音」されていても変わりません。
現に取調べに当たっている検事にとっても難しいのですから。
望ましい検事のあり方
2010年3月2日 カテゴリー:刑事弁護
年末に検事正が検事部屋を巡回している。
熱心に仕事をしている新任検事がいた。
検事正は,新任検事に「何をしている。」と聞く。
すると新任検事は「事情聴取の呼出し手続です。」と答える。
すると,検事正は,いきなり
「馬鹿め!」と怒鳴った。
新任検事はなぜ怒られたのかわからず,検事正の部屋に行って理由を聞いてみた。
押尾学被告人に執行猶予5年間
2009年11月2日 カテゴリー:刑事弁護
MDMA使用で押尾学被告人に懲役1年6月,執行猶予5年間の判決が今日言い渡されました。
5年間ですか。長いですね。
通常,薬物使用の初犯は懲役1年6月,執行猶予3年間です。
おそらく執行猶予のつく判決の全体の60%は3年間という執行猶予期間です。5年間という長期の猶予期間がつくのは,せいぜい15%くらいなもので,犯行態様,結果の重大性,前科前歴などから実刑か執行猶予かのボーダーの事案で見られます。
ところが,押尾被告人の場合はどう考えても実刑にはならない事案です。
どうして5年間もの長期の執行猶予期間を付したのでしょう。
報道によれば,判決の量刑理由として,犯行発覚に至るまでの経緯や発覚後に関する押尾被告人の言動が不自然であることなどを5年間とした理由にあげていたとのことです。
この供述の不自然性に関する問題の証言は以下の点です。
刑事弁護士の中の「有罪推定」意識について
2009年10月29日 カテゴリー:刑事弁護
足利事件の菅家利和さんが書いた「冤罪 ある日私は犯人にされた」(朝日新聞出版社)を読みました。
この事件は,菅家さんが捜査段階のみならずどうして公判でも最初は犯行を認めていたのか,関心があったので,買って読んでみました。
一審で担当した弁護士は国選ではなく,私選だったのですね。しかも,捜査段階の当初から選任されていて,公判では二人の弁護士が担当している。どうして菅家さんは弁護士に自分が無実であることを打ち明けなかったのか不思議だったのですが,この本を読んで,「弁護士が偉そうにしている。」「警察,検事,弁護士の区別がつかなかった」という記述を読んで考えさせられてしまいました。
弁護士もDNAのマジックにかかっていたのでしょうか。DNA結果が一致してるのだから犯人に間違いがないというマジックにかかっていたのでしょうね。
裁判官は「無罪推定」の心証で審理に臨まなければいけないとはよく言われますが,実は,刑事弁護士にも「有罪推定」で依頼者と向き合ってしまうという落とし穴があるのかもしれません。
刑事に特化した新事務所を開設しました!
2009年9月18日 カテゴリー:刑事弁護
9月16日,中村国際刑事法律事務所を設立致しました。
裁判員裁判に対応し,検察と対等に戦える事務所を目指した刑事に特化した事務所を設立しました。
金融・商業の中心地,日本橋本町を拠点に,事務所名に「刑事」を冠した我が国初の法律事務所です。
刑事弁護及び刑事関連分野に野心的に取り組んで参ります!




