‘その他’ カテゴリーのアーカイブ

年頭にあたって(平成31年)

2019年1月2日 Filed under:その他

NICDの諸君へ

新年あけましておめでとうございます。
今年はNICD創立10周年の節目の年です。名古屋事務所もスタートします。世の中も変わるでしょう。新天皇陛下が即位し,元号も変わります。それでもNICDの弁護士そしてスタッフとして心掛けるべきことに何ら変わりはありません。

一人ひとりの依頼者に誠実に向き合い,その不安感を共有し,常に寄り添い,罪を犯した人であってもその尊厳を敬い,権力に誤りがあれば法の名のもとにこれを糺し,依頼者が求めれば贖罪と更生のための道標を示す。そして,全ての依頼者が静かな日常を取り戻せるように手を差し伸べましょう。またそれが出来るように,NICDの一員として,日々の研鑽を怠らず,自らの生活を律し,自己変革に努めましょう。

“Everyone thinks ofchangingthe world, but no one thinks of changing himself”. (Leo Tolstoy)

今年もよろしくお願いします。

平成31年元旦

代表弁護士 中村 勉

NICDのアルバイトが何故すごいか

2014年11月30日 Filed under:その他

NICDでは、十名を超えるアルバイトスタッフがシフト制の下、働いてます。
仕事の内容は、相談電話受付、書類等の裁判所や検察庁へのデリバリー、接客、簡単なリサーチなどです。
この中で、相談電話の受付とその報告が最も重要な仕事で、しかも、将来、法律家となったときに貴重な財産となるような仕事なのです。

法律家の仕事は、
① 法律家の助力を必要としている人の話を聞く
② その話を聞いて相談者が抱えている悩みがどのような紛争なのか、その性質を分析する
③ その紛争は刑事事件なのか(処罰して欲しい、あるいは、逮捕されそう)、民事事件なのか(お金を請求したい、請求されそう)、あるいは、その両方なのかを判断します。
④ 相談者自身、自分の抱えている悩みがどのような性質の紛争なのか分からないことが多いです。刑事なのか民事なのか、行政の問題なのか、それとも単なる人生相談や恋愛相談なのか、職場の不平不満なのか分からないことが多いです。ですから相談者は何とか自分の悩みや要望を伝えようとあらゆる事情を説明しようとします。
⑤ 法律家はその相談者の話を聞いて、「法律家の頭」で、法律要件や法律効果などを考えながら整理していきます。重要でない事情を長々と話しているところを、法律家は、適宜、口を挟んで整理して問題のポイントを確認したり、いったいどのような法律効果を期待しているのか相談者自身の真意に迫ったりして整理していくのです。このような整理なくして相談者が悩みを話すままにしていると、相談は何時間にも及び、結局、どのような解決手段を示せばいいいのか法律家自身分からなくなってしまいます。この「話の整理」が法律家にとってとても重要なのです。
⑥ 弁護士が相談者から話を聞く場合がそうであり、また、検事が警察から相談を受けるときもそうであり、被疑者の取調べをするときもそうなのです。この整理力がなければなりません。裁判官も代理人双方の主張を整理しなければなりません。雑多で未整理である紛争原因に関する複雑な心情や事実関係や背景事情を整理することが、法律家にとって何よりも重要なのです。この整理が上手にできたとき、あとは、適切な法律要件をあてはめ、問題となりうるいつくかの解釈を踏まえ、推定されるいくつかの結論とその結論を導くための法的手段を提示してあげるのです。
⑦ さらに、そのような相談内容をもとに、法律書面を作成して各種の訴訟行為に移っていきますが、そのよう法律書面も争点が的確に把握されたものであって、法律要件事実も過不足なく含まれ、一読して理解できるものでなければなりません。そのためには、「話の整理」がきちんとできていないといけないのです。「話の整理」ができていないまま、法律書面を作成すれば、それは同じ法律家にとっては理解不能で、言ってみれば「出来の悪い法律家」の烙印を押されてしまいます。そのような法律家はこの世には数多くいます。
⑧ 検事もそうです。検事にとって重要な仕事の一つは、取調べです。取調べはまさに「話の整理」をしながら犯罪構成要件該当事実の有無を分析していく作業です。取調べが上手かどうかは「話の整理」ができているかどうかにかかります。そして、取調べの成果を盛り込んだ供述調書が作成されますが、その調書を読めば、「話の整理」がきちんと出来ているかどうかが分かるものです。

このように、「話の整理」が出来れば、法律家の仕事としては9割が完了したと言っていいのです。その能力こそ、法律家の能力なのです。
NICDでのアルバイトの仕事は、もちろん、アルバイトは法律家ではありませんから、法的な助言は絶対にしません。
しかし、上記のような「話の整理」を、極めて短時間のうちに(15分か20分程度)、「法律家の頭」をもって行う、そんな作業なのです。
しかも、NICDでは、そのような相談電話を受けたアルバイトは、弁護士に電話をつなぐ際に、相談内容を手短かに報告しなければなりません。
働き始めの多くのアルバイトは、「話の整理」もできず、その口頭報告もうまくできないので、弁護士、特に、中村に、「何のことかさっぱり分からない。いいから電話代わって」と言われたり、「こうこうこの点を相談者に聞き直して。」とやられてしまいますから意気消沈してしまいます。

また、弁護士不在のときには、メールで相談内容を報告しなければなりません。
「話の整理」ができていない報告メールは見ればすぐに分かります。そんな報告メールに対する弁護士、とくに中村から返ってくる返信は、「意味が分からない。」「結局、何の相談?」といったものが少なくありません。さらに、NICDでは、報告は簡潔的確を求められるので、なかなかうまく文章にできません。ついつい長文メールになってしまうのです。長文メールを書く人は、自分の頭で整理がされていない、もしくは、法律要件を分かっていないのです。
弁護士、とくに中村からの返信は、「このメール、量を5分の1にしてもう一回報告して」とやられてしまいます。
実は、この光景は、大事務所におけるアソシエイトのパートナーに対する報告、あるいは、検察庁における主任検事の決裁官への報告と同じもので、言ってみれば、NICDのアルバイトは、アルバイト代をもらいながらにして、そのような訓練を日々徹底して受けているのです。

このような訓練を積んでいくNICDのアルバイトは、見る見るうちに力をつけていきます。そして、とうとう、弁護士、とくに中村から怒られなくなる、そんな幸せな(?)日がやがて訪れるのです。
NICDでは次々と新しいアルバイトが入ってきますが、みなさん、以上のような試練にぶち当たり、落ち込みます。しかし、訓練を受けた「先輩アルバイト」が指導してくれるのです。中村から怒られて落ち込んでいる新任アルバイトを慰めてくれるのも先輩アルバイトです。中村に怒られなくなるようなコツまで教えてくれます。

やがて、アルバイトの中から司法試験合格者が出ます。
2014年の司法試験で言うと、現職アルバイトないし直近までアルバイトだった方のうち4名が合格し,前年までアルバイトだった方も1名合格したので、合計5名の最終合格者を出しました。
彼らは全員、もはや法律家の土台・原型は、NICDでの訓練で出来上がっているのです。

NICDのアルバイトは、アルバイトであって単なるアルバイトにあらず。言ってみれば、法律家養成塾の塾生なのです。

(中村)

「虚偽契約」で除名処分 第一東京弁護士会

2014年3月5日 Filed under:その他

今日は「弁護士の倫理」に関する記事です。

第一東京弁護士会は27日、連帯保証人を調べず、資産があるとの虚偽情報を契約書に添付したとして、M弁護士(51)を懲戒処分で最も重い除名とした。弁護士会の調査に対し、事実関係の未確認は認めた上で「道義的な責任はあるが、法的な責任はない」と説明しているという。弁護士会は「弁護士の品位を失う非行に当たる」と判断した(2014/2/27 12:47 日本経済新聞/共同)。

弁護士法は,弁護士の使命や職務、弁護士会および懲戒に関する事項等を定めています。同法は,弁護士について「品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける」(弁護士法56条)と規定しており,重い場合には「除名」(弁護士法57条1項4号)処分を受けることになります。そして,本件のように除名処分が下されると,当該弁護士は弁護士たる身分を失い、弁護士としての活動ができなくなるだけでなく、3年間は弁護士となる資格も失います。

近年,弁護士による不祥事を多く目にします。各弁護士会の市民相談窓口に寄せられた弁護士に対する苦情件数は、平成15年は6646件だったのに対し,平成23年には1万1129件に増加しました。また,懲戒請求も平成15年の1127件に対し、平成23年は約1885件に増加しています。

弁護士は,高度な専門知識と職業倫理に対する市民の信頼を基礎に職務を遂行しています。弁護士の不祥事は,たとえそれが一部の者であっても全ての弁護士の信頼を傷付けることになりかねません。「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命」(弁護士法1条1項)とする者が弁護士です。いかなる理由があるにせよ,弁護士が市民の信頼を失墜させるような非行に手を染めることは許されるものではありません。

法科大学院7校「改善進まず」 中教審の特別委調査

2014年2月27日 Filed under:その他,司法制度

今日は「法科大学院」に関する記事です。

中教審の法科大学院特別委員会は24日、入学者数の減少など深刻な課題を抱える法科大学院を対象にした2013年度調査で、12校に「重点的な改善が必要」と指摘した。このうち既に学生の募集停止を決めた5校を除く7校はいずれも「前年度から改善が進んでいない」とした。

7校の内訳は国立が香川大と鹿児島大、私立が白鴎大(栃木)、日本大(東京)、愛知学院大、京都産業大、久留米大(福岡)。特別委は、入学者数が低迷していることや教育体制が十分に整っていない点を課題として挙げた。

「継続的な改善」を求めたのは静岡大など20校。学生募集の停止を決定または検討中の4校を除く16校のうち、司法試験の合格状況などで「大幅な改善がある」と評価されたのは琉球大(沖縄)と青山学院大(東京)の2校のみ。残りの14校は一層の改善が必要とした(2014/2/24 20:32 日本経済新聞/共同)。

2004年4月より開始した現行の法科大学院制度は,開始当初は3万9350名の志願者を集めました。しかし,2014年度の志願者は5377名にとどまっており,この10年間で実に7分の1にまで激減しています。また,学生はより合格率の高い法科大学院に進学しようとするため,志願者が特定の法科大学院に集中しています。
その結果,法科大学院は二極化が進み,記事にあるように合格率の低い法科大学院は,現在非常に厳しい立場に置かれています。

先日,新たにこのような記事が出ました。

15年度から学生募集停止 東海大法科大学院

東海大が東京都渋谷区にある法科大学院の学生募集を2015年度から中止することが25日、分かった。入学者数の減少に歯止めがかからないためで、学内手続きを経て文部科学省に届け出る。

東海大法科大学院は04年に開設された。昨年の司法試験合格者はゼロで、文科省は14年度の補助金削減を決めている(2014/2/25 10:21日本経済新聞/共同)。

今回,東海大学が募集停止を決定したように,現在までに既に11校の法科大学院が募集停止等を行っています。そして,本記事の内容からすると,今後もしばらくは法科大学院の統廃合は続いていくのかも知れません。

およそ10年前にスタートした法科大学院制度ですが,いま大きな転換期を迎えています。以前,当ブログで,司法試験制度が2015年から変更される可能性についても言及しました。これからの法科大学院制度,ひいては法曹養成制度をいかに考えるべきでしょうか。今後の法曹制度の在り方について,いまの現状を真摯に受け止め,慎重かつ十分な議論がなされることを望みます。

オウム裁判で番組を証拠採用、NHKが遺憾表明

2014年2月12日 Filed under:その他,司法制度

今日は「マスメディアと司法」に関する記事です。

オウム真理教による3事件で起訴された元教団幹部・平田信まこと被告の初公判で、NHK番組の映像が証拠採用されたことについて、NHKの石田研一放送総局長は22日の定例記者会見で「放送以外の目的での番組使用は、取材協力者の信頼を損ねかねず、報道の自由が確保されない恐れもあり、極めて遺憾だ」と述べた。

証拠提出した弁護士と東京地裁に対して、映像を事実認定の証拠にしないことなどを求める申し入れ書を、21日付で送付したことも明らかにした(2014年1月22日18時14分 読売新聞)。

マスメディアは自身の取材物が裁判で証拠提出されることについて消極的です。本来,テレビの映像等は放送・報道目的で撮影されており,捜査や裁判に利用されれば協力者の不利益になりかねず、今後の取材に応じてもらえなくなる恐れが生じます。かかる事態が,取材・報道の自由に重大な制約を招き、国民の知る権利を脅かすことにつながるとマスメディアは考えているのです。
この取材・報道の自由と証拠提出との関係について,判例は「取材の自由も公正な裁判の実現のために制約を受け,諸般の事情を比較衡量した結果,取材活動によって得られたものを証拠として提出させることによって将来の取材の自由が妨げられるおそれがあるという不利益を受忍しなければならない場合がある」(最大決昭和44・11・26)とし,犯罪の性質や映像の証拠価値などと報道の自由に与える影響を総合して証拠提出の有無等を決するべきであるとしています。

現代社会において,マスメディアと司法との関係をどう考えるべきなのでしょうか。現在,インターネットの普及などによって私たちを取り巻くメディア環境は複雑・多様化しています。そして,それに伴いメディアの役割や価値も変化しているように感じます。これからの両者の在り方について,改めて議論が必要であると考えます。

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