草薙さんの家宅捜索は違法か

2009年5月7日 Filed under:刑事弁護

SMAPの草薙さんが公然わいせつ罪で逮捕された件で、警察により家宅捜索が行われたことを民主党幹事長が問題視しています。僕も同じ感想を持っています。

これは、現行犯逮捕に伴う捜索で、おそらく無令状での捜索であると思います。刑事訴訟法上も現行犯逮捕に伴う、無令状の捜索は認められています。というのは、犯罪行為を現認した警察官にしてみれば現行犯逮捕した際に、犯人の着衣内に凶器を隠していないかを検査するために、わざわざ裁判官に令状を求めていたのでは、その場で刺されて死んでしまうからです。また、現行犯の逮捕事実に関連した重要な証拠が自宅等にある場合に、その証拠を確保するのにいちいち裁判官の令状発付を求めていたのではその間に逮捕を知った家族や共犯者に証拠を破壊されてしまうからです。それで、逮捕に伴う場合の無令状の捜索差押えというのが例外的に認められているのです。

今回の草薙さんの事件は、逮捕はやむを得ないと思いますし、何ら問題なく、合法と思います。任意の尿検査も全く問題ないと思います。大声を出して騒いでいたというのですから、薬物の影響も当然捜査官としては疑わなければなりません。しかし、尿検査の薬物簡易鑑定でシロと出たのに、公然わいせつ罪容疑で、無令状で自宅を捜索をするというのは、問題があると思います。

公然わいせつ罪の証拠は、例えば、わいせつDVD、雑誌等ですが、本件は、誰が見ても公判請求相当事案ではなく、起訴猶予事案ですからわざわざわいせつDVD等の証拠を新たに収集する必要はありません。それに、全裸の草薙さんを警察官が現認しているのですから、証拠はそれで十分です。法が例外的に無令状で捜索を認めている事情が、本件では認められません。それにもかかわらず、警察はやった。なぜか?薬物関連証拠を狙った可能性が高いです。最近、芸能関係にも薬物汚染が広がっていたという背景事情もあったのでしょう。もしかしたら草薙さんの自宅から違法薬物が出てくるのではないか、そう思って家宅捜索をした可能性があります。

しかし、尿検査ではシロと出たのです。もし尿検査で薬物反応が出たなら、その薬物使用容疑で逮捕し(再逮捕)、その薬物容疑の現行犯逮捕に伴う捜索として、薬物関連証拠の収集のために無令状で家宅捜索をすることができます。しかし、そうではなく、もしも今回の警察の対応が、公然わいせつ容疑の証拠収集を仮装して、薬物関連の証拠収集の目的で、今回の捜索を行ったのだとしたら、これは「脱法」であり、違法な捜索といわざるを得ません。こういうのを「別件捜索」といいます。仮装団体から政治献金を受けて政治資金規正法を脱法するのと同じことです。

以上は、本件が無令状の捜索の場合を前提としています。簡裁裁判官から捜索の令状発付を得ていたのだとしたら話は別です。その場合には、令状を発付した裁判官の対応が問題となります。

しかし、民主党幹事長、この所轄の警察の対応と先の西松事件における特捜検察の対応を一緒くたにして、代表を庇うのはいかがなものかと。。。。

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