2009年4月 のアーカイブ

草薙剛さんに公然わいせつ罪は成立しない!?

2009年4月25日 Filed under:刑事弁護

SMAPの草薙さんが、深夜住宅街で全裸で騒いでいたということで、公然わいせつ罪の現行犯で逮捕されました。外で全裸になり、「裸でなぜ悪い」などと警察官に悪態をついて服を着ようとしなかったのですから、現行犯逮捕されても仕方ありませんね。また、勾留請求をせずに釈放し、在宅被疑事件扱いとした検察官の判断ももちろん妥当なものです。

その後の捜査見通しですが、報道されている事情を前提にすれば、本件で公然わいせつ罪が成立するかはかなり微妙です。公然わいせつ罪には、犯罪の成立要件として「性的意図をもって行う」という主観的構成要件の充足が必要で、いわゆる「傾向犯」と言われています。典型的には通行中の女性の前に立ちはだかりコートの前を広げて。。。見せる。。。という行為が公然わいせつ罪となります。性的意図があるからです。でも、同じ裸でも、草薙さんの場合は、性的意図、つまり、いやらしい気持ちで全裸になっていたのかどうか。報道を前提とする限り、そうではないように見受けられます。ストレス?やけっぱち?

そうすると、検察官の本件に対する最終処分も、間違いなく起訴猶予処分になるでしょう。厳密には嫌疑不十分なのかもしれませんが、実務的には起訴猶予処分でかたをつけるはずです。

ところで、公然わいせつ容疑での草薙さんの家宅捜索は行き過ぎのような気がします。

草薙さん、酒に飲まれてはいけません。しかし、これにくじけずに頑張って下さい!!

一昔前の陪審裁判

2009年4月3日 Filed under:刑事司法

いよいよ5月21日に始まる裁判員制度ですが、実は、国民が刑事裁判に参加するのはこれが初めてではありません。大正デモクラシーの影響を受けて、大正12年4月18日に公布された陪審法に基づく陪審裁判がそれです。

現行の裁判員制度に対する国民の評判は必ずしも良いものではありませんが、一昔前の陪審裁判を報じる新聞記事を読んでみると、不思議なことに、牧歌的な当時の雰囲気が伝わってきます。

「被告が殺意を否認すれば、裁判長いよいよ事実取調べをなし犯罪事実を糾問する。被告は聞き取れないほどの低い声で答えるため、陪審員の顔には焦燥の色が濃い。中には倦怠を覚えてきたものもあり、かつ訊問が1時間になるので陪審員全部にだれ気分が漂い始めた。訊問は進み、『今一緒になれねば3, 4年先にでも。それが出来ねばあの世でも。』と情婦に結婚を迫ったが、『この世でできないならあの世でもできない』とはねつけられたので、出刃包丁で斬りつけたという興味的な訊問に入れば、陪審員全部もにわかに活気づき、訊問、答弁に注目する。」、「証人が被告との関係について聞かれ、しきりに方言を使ってこれに答える。ところが裁判長にはその方言が判らないのでたびたび聞き直すと、意味の判ってる陪審員たちは裁判長の聞き直すのを不審そうに眺めて微笑みをもらす。」(大阪毎日新聞 昭和3年10月24日夕刊)

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