「リベンジポルノ」に「懲役3年」 自民、今国会提出目指す

2014年11月13日 Filed under:司法制度

今日は,「リベンジポルノ」に関する記事です。

自民党は9日、元交際相手らの裸の画像などをインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐)ポルノ」問題に関する特命委員会を開き、最高「懲役3年以下」の罰則を盛り込んだ新法案の概要をまとめ、了承した。公明党や野党に賛同を呼び掛け、議員立法で今国会への提出を目指す。
 法案概要によると、インターネット上などに第三者が被写体を特定できる方法で、個人的に撮影した性交や、それに類似する性的な画像記録などを不特定多数に提供した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。
 画像記録を拡散させる目的で特定の者に提供した場合も1年以下の懲役または30万円以下の罰金とする。(2014年10月9日13時10分 産経ニュース)

 リベンジポルノについて,これを特に規制する法律は,現在は存在しません。もっとも,元交際相手等のものであること,復讐心を理由とする写真等の流出行為であること捨象すれば,わいせつな写真等を頒布し,特定人の社会的名誉を低下させたことにはかわりないので,刑法175条1項のわいせつ物頒布罪,刑法230条1項の名誉毀損罪に問われる可能性は十分にあります。わいせつ物頒布罪の量刑範囲は,「二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料」又は懲役と罰金の併科とされています。また,名誉毀損罪の量刑範囲は,「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」とされています。
 このような場合,写真の流出行為という一つの行為をもって,わいせつ物頒布罪と名誉毀損罪と二つの罪を犯していることになります。刑法上の罪数処理として,「一個の行為が二個以上の罪名に触れ」る場合(刑法54条1項前段,観念的競合)にあたるので,「その最も重い罪により処断する。」ことになります。重軽の判断は,わいせつ物頒布罪と名誉毀損罪では,後者の懲役が三年と長いので,名誉毀損罪の懲役が量刑範囲となります(刑法10条2項前段)。そして,予定されている法案の「罰金五十万円」の部分も名誉毀損罪と重なっています。
 以上からすると,リベンジポルノについて法律は,既存の名誉毀損罪で処罰するのと量刑の点では異なりません。そうすると,リベンジポルノ行為そのものについて厳罰化を指向するものとはいえなさそうです。今回の立法の目的は,社会におけるリベンジポルノに対する関心を喚起し,このような行為が立派な犯罪であると周知させて今後のリベンジポルノ行為を抑止することや,名誉毀損罪における立証の困難性を緩和するといった点にあるように考えられます。

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