任意捜査における刑事弁護|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

任意捜査における刑事弁護

刑事弁護コラム 任意捜査における刑事弁護

任意捜査とは

 任意捜査とは,強制捜査以外の捜査をいいます。強制捜査とは,個人の意思を制圧し,身体,住居,財産などに制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為(強制処分)による捜査のことをいい,例えば逮捕,勾留,身体捜索,押収,検証などがあります。

 一方,任意捜査とは,例えば,被疑者や参考人の取り調べ,任意出頭,任意同行,張り込み,聞き込み,実況見分などがあります。

任意捜査になじむ事案

 任意捜査になじむ事案としては,万引きのような軽微な事案や,軽い怪我の暴行・傷害事件,器物損害事件,痴漢・盗撮といった条例違反の事件,名誉棄損・侮辱の事件,風営法違反,わいせつ物頒布などの風俗事犯などがあります。また,交通事故についても,死亡事故は逮捕されますが,捜査に時間がかかりずっと逮捕勾留することはできないため,どこかで釈放されることとなるでしょう。もっとも,痴漢や傷害については,現場から逃走したような場合には,逮捕される可能性があります。

任意出頭に対する助言

 任意捜査における刑事弁護として重要なのは,とにかく逮捕を回避するということです。そして,被害者がいる場合には示談交渉を行います。被害者がいない場合や不明な場合には,贖罪寄付や供託といった,示談に代わるような手段をとることになります。

 また,任意捜査とする背景事情には次にあげる3つがあります。

 1つ目として,当初から最後まで任意捜査をするつもりの場合があります。先述した任意捜査になじむ事案については,警察としては任意捜査で終わらそうとしています。
 2つ目として,当初は強制捜査であったが,釈放され,在宅捜査に切り替えられるような場合があります。このような最初に逮捕されるような事案では,途中から在宅になっても,検察は捜査処理を急ぐと思われるので,示談する場合には急いで交渉する必要があります。
 3つ目として,当初は任意捜査で,後に強制捜査に切り替えることが予定されている場合があります。事件が複雑なために,身柄拘束期間の間に事件を終了できないような場合に,任意捜査を先行して行うことがあり,例えば贈収賄のような組織犯罪に多くみられます。この場合で,特に証拠が少なくて逮捕状がとれないような場合には,任意といっても,実質強制のような相当無理な取調べがなされるおそれがあるので,注意する必要があります。

 弁護士としては,この3つのどの場合にあたるのかを分析したうえで,事案にあった的確なアドバイスをすることが重要です。例えば,1つ目のケースで,弁護士が「任意だから出頭しなくていいよ」と誤ったアドバイスをしたせいで,逮捕する気はなかった警察が,情報を得るため仕方がないから逮捕したという事例はよくあります。弁護士は警察の意向をさぐりつつ,「任意といえども,捜査の協力を何回も拒否していると逮捕されてしまい貴方の利益にならないから,身に覚えがないとしても,その旨を説明して出頭してはどうか。」とか,「任意捜査はいつでも帰りたいときに帰れます」といったアドバイスを,事案を分析しつつ行う必要があります。


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