保釈はどのようにして認められるのか|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

保釈はどのようにして認められるのか

刑事弁護コラム 保釈はどのようにして認められるのか

保釈はどのようにして認められるのか

 保釈とは,起訴後勾留されている被告人が保証金(所謂保釈金)を提供することにより釈放されることです。注意すべきことは起訴前には保釈は認められないということです。保釈金自体は裁判終了時に全額返還されます。ただし,保釈条件違反がある場合には一部または全部が没収(専門的には「没取」と言います)される場合があります。
 保釈のためには,まず,被告人,その弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族,兄弟姉妹による裁判所または裁判官に対する請求が必要です。
 保釈の請求は保釈請求書という書面を提出して行いますので,実際上,保釈を獲得したい場合には弁護士を雇う必要が出てきます。国選弁護人でも中には保釈請求の手続きをしてくれる弁護士もいますが,一切保釈請求をしてくれない国選弁護士も残念ながらおります。国選弁護士報酬は決して高いとは言えず,保釈請求はしないという国選弁護人もいるのです。
 また,保釈金を払うだけの資力があるのにどうして国選弁護人を利用しているのかという問題もあります。やはり,保釈を獲得したい場合には私選弁護人を雇うのが早道です。
 前述のように,保釈制度は保釈金を提供させることにより逃亡,不出頭,罪証隠滅等をしないことを担保することにあるので,請求の際には保釈金を差し出すことの他に,それらの行為をしないということを裁判所または裁判官に確実に示す必要があります。そもそも法律によれば,一定の重大犯罪に問われている場合,重大犯罪の前科がある場合,住居が不明・不定の場合は裁判官は保釈決定は下さなくてよいことになっています。
 また,罪証隠滅をすると疑うに足りる相当な理由があるとき,被告人が被害者その他事件の審判に必要な知識をもつと認められる者やその親族の身体,財産に害を加えたりするような行為をすると疑うに足りる相当の理由があるときも同様です。具体的には,共犯者がいて口裏を合わせる可能性がある場合,被害者の居所等を知っていてお礼参りをする可能性がある場合などは保釈が認められないことが多いです。
 実際には,保釈請求の際には,住所の確保のために親族や友人を保釈後の身元引受人とすること,逃亡,不出頭等がないようにさせるとの何人かの親族や友人からの上申書を提出すること等がなされます。
 裁判官は保釈許可の決定をする前に検察官の意見を聴きます。また,弁護士は保釈に関して裁判官面接を希望すれば面接が可能です。そして,保釈金の金額を設定した後に許可の決定を下します。決定には住居の制限,旅行の制限その他適当な条件が付されます。そして,保釈金が納付(原則現金によります。)されたことが確認されてから身柄が釈放されます。裁判所にもよりますが,保釈請求をしてから,検察官の意見を聞き,弁護人の意見も聞いた上で判断しますので,請求当日に保釈されることは少なく,翌日,遅ければ2,3日後に判断が下されるということもたまにはあります。保釈不許可決定が出て,もしこれに不服があれば準抗告をすることができます。
 このようにして認められた保釈も,許可された根拠が覆される場合,つまり,正当な理由なくして出頭しない場合,逃亡の虞がある場合,罪証隠滅をはかる虞がある場合,被害者等に危害を与える虞がある場合,その他住居の制限等保釈の条件に反する場合には保釈は取り消され,被告人は収監されます。
 またこの場合,納付した保釈金の全部または一部が裁判所によって没取されることがあるので注意が必要です。特に,指定された制限住所地には裁判所から期日の連絡などの重要な書類が何度か郵送されますので,それが不在を理由に裁判所に戻るようなことがあれば,保釈条件違反が疑われますので注意が必要です。


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