刑事判例紹介(59)|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑事判例紹介(59)

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(59)

事案

 強盗致傷の犯行を幇助した罪に問われた被告人について,公判前整理手続後,公判廷にて共犯者の供述がなされたことを受けて,弁護人は共犯者の捜査段階における各供述調書を弾劾証拠として取調請求をした。これに対し,原審は当該請求をすべて却下したため,弁護人は却下の違法性等を主張して控訴した。

判旨(名古屋高裁金沢支部平成20年判決)

 同法(注:刑事訴訟法)328条による弾劾証拠は,条文上「公判準備又は公判期日における被告人,証人その他の者の供述の証明力を争うため」のものとされているから…証人尋問終了以前の取調請求を当事者に要求することは相当ではない。そうすると,…同法316条の32第1項の「やむを得ない事由」があるものと解すべきであ…る。
 …公判前整理手続を実施した事件における弾劾証拠の採否に当たっては,同法316条の2第1項に規定する「充実した公判の審理を継続的,計画的かつ迅速に行う」ことの要請から,証拠としての「必要性」についても厳格な吟味を要する。

コメント

 裁判員裁判における証拠調べ請求は,公判前整理手続においてなすことが義務づけられ,同手続終了後においては原則として認められません。もっとも,本判決は,供述の信用性を争うための証拠(弾劾証拠)について,証人尋問の終了前においては要件該当性を判断できないことから同法316条の32第1項の「やむを得ない事由」があると判示した上で,本件においては,共犯者が被告人から受けた指示の内容のくい違いという被告人の幇助行為の認定との関係で①重要な立場の者の,②被告人の実行行為の認定に不可欠の供述部分であり,③供述全体の信用性に重大な影響を及ぼし得る上に,④くい違いの程度が明白であり,⑤捜査段階の供述調書に記載のない事項を公判段階にて供述していること等に鑑みて,同法328条の証拠として採用すべきであり,これを誤った原審の決定を違法と判示しており,裁判員裁判においても供述の信用性を慎重に判断すべきことが示さています。


「刑事事件」に関する取扱い分野

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

アソシエイト 坂本 一誠

 弁護士坂本一誠は,早稲田大学法学部を卒業後,司法試験予備試験及び司法試験に合格し,第70期司法修習を経て,弁護士法人中村国際刑事法律事務所に入所しま ...

アソシエイト 赤木 竜太郎

 弁護士赤木竜太郎は,一橋大学法学部法律学科,一橋大学法科大学院を卒業しています。  学部時代は王雲海教授のゼミで比較刑事司法学を学び,法科大学院時 ...

アソシエイト 輿石 祐司

 弁護士輿石祐司は,青山学院大学法学部法律学科,東北大学法科大学院を卒業しました。その後,司法試験に合格し,第70期司法修習を経て,弁護士法人中村国際 ...

アソシエイト 佐々木 さくら

 弁護士佐々木さくらは,明治大学法学部を卒業後,千葉大学法科大学院を経て,司法修習を修了後に弁護士法人中村国際刑事法律事務所に入所しました。  痴漢 ...

「刑事事件」に関する法律相談Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

詐欺罪の条文

詐欺罪の条文(懲役・時効)について 刑法246条 1項人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。 2項前項の方法により, ...

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

tel mail
お名前 必須 ex.鈴木太郎
電話番号 必須 ex.090-000-000
メールアドレス ex.t-suzuki@nicd.jp
都道府県 必須
ご相談の種類 必須
弁護士へのご依頼予定 必須
ご相談内容
※200文字以内でご記入ください。現在の文字数は約0文字です。200文字を超過しています。

東京事務所では関東エリア
大阪事務所では関西エリアをカバーしています。