刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案

事案

 被告人は生活費に窮し,社会福祉のために募金をしようとしているように装って寄付金を集めて生活費に充当しようと企て,被害者に福祉事業に使用されるものと誤信させうえ,金員を騙し取ったとして,起訴された。裁判所は,被告人の故意を認定するために,同種詐欺事件を証拠としたが,弁護側は被告人が行った他の犯罪事実を証拠とすることは違法であるとして争った。

判旨(最高裁昭和40年判決)

 犯罪の客観的要素が他の証拠によって認められる本件事案の下において,被告人の詐欺の故意の如き犯罪の主観的要素を,被告人の同種前科の内容によって認定した原判決に所論の違法は認められない。

コメント

 被告人の悪性格を立証することは,裁判所が不当な偏見を抱くおそれがあり,法律的関連性を欠くものとして,証拠能力が否定されます。本件でも,同種前科を証拠として立証することは,被告人の犯人性の立証にあたるのではないかという点が争われました。しかし,本決定では,主観的要件の立証のために類似行為の立証を行うことは違法ではないと判断しました。本決定が立証を許容する実質的根拠は明らかではありませんが,本件行為時に被告人が違法な行為であると認識していたことを推認するものとして証拠能力を認めたものであるという考え方や,被害者が福祉事業のために募金を使うと誤信していることを被告人が認識していたことを推認するもとして証拠能力を認めたとする考え方があります。


「刑事事件」に関する取扱い分野

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

パートナー弁護士 岩崎 哲也

 弁護士岩崎哲也は,東京都立国立高校,北海道大学法学部を卒業後,第41期司法修習を修了し,検事に任官しました。東京地検新任検事を振り出しに旭川地検,長 ...

代表パートナー弁護士 中村 勉

 代表パートナー・弁護士である中村勉は,北海道函館市出身,中央大学法学部(渥美東洋教授の刑事訴訟法ゼミ)を卒業後,司法修習を終了し,検事に任官しました ...

アソシエイト 藤田 昭平

 弁護士藤田昭平は,一橋大学法学部法律学科,一橋大学法科大学院を卒業後,司法試験に合格し,熊本県における司法修習を経て,弁護士法人中村国際刑事法律事務 ...

アソシエイト 輿石 祐司

 弁護士輿石祐司は,青山学院大学法学部法律学科,東北大学法科大学院を卒業しました。その後,司法試験に合格し,第70期司法修習を経て,弁護士法人中村国際 ...

「刑事事件」に関する法律相談Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

tel mail
お名前 必須 ex.鈴木太郎
電話番号 必須 ex.090-000-000
メールアドレス ex.t-suzuki@nicd.jp
都道府県 必須
ご相談の種類 必須
弁護士へのご依頼予定 必須
ご相談内容
※200文字以内でご記入ください。現在の文字数は約0文字です。200文字を超過しています。

東京事務所では関東エリア
大阪事務所では関西エリアをカバーしています。