刑事判例紹介(87) – 私人が作成した燃焼実験報告書の証拠能力が刑訴法321条3項準用によって認め ...|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑事判例紹介(87) – 私人が作成した燃焼実験報告書の証拠能力が刑訴法321条3項準用によって認められるかが争われた事案

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(87) – 私人が作成した燃焼実験報告書の証拠能力が刑訴法321条3項準用によって認められるかが争われた事案

事案

 被告人は非現住建造物等放火および詐欺未遂の事実で起訴された。検察官は民間会社に勤務するBが作成した燃焼実験報告書の証拠調べ請求をし,私人が作成した報告書が刑訴法321条3項準用により証拠能力が認められるかが争われた。

判旨(最高裁平成20年判決)

 321条3項所定の書面の作成主体は「検察官,検察事務官又は司法警察職員」とされているのであり,かかる規定の文言及びその趣旨に照らすならば,本件報告書抄本のような私人作成の書面に同項を準用することはできないと解するのが相当である。…上記作成者は,火災原因の調査,判定に関しては特別の学識経験を有するものであり,本件報告書抄本は,同人が,かかる学識経験に基づいて燃焼実験を行い,その考察結果を報告したものであって,かつ,その作成の真正についても立証されていると認められるから,結局,本件報告書抄本は,同法321条4項の書面に準ずるものとして同項により証拠能力を有する。

コメント

 本決定は,321条3項の文言は検察官等に限定されており,その趣旨は明示された主体が法律上捜査の職権と職務とを有する公務員であり,その検証の結果を信用しうる資質上,制度上の保障を備えている点にあるとして,私人が作成した報告書への同項の準用を否定しました。もっとも,本件報告書は特別な学識経験を有する者が作成した書面で,特別の専門的知識を有する者が作成し信頼性があるため証拠能力を認めるという同条4項の趣旨が妥当するため,同項の準用により証拠能力が認められました。


「刑事事件」に関する取扱い分野

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

アソシエイト 赤木 竜太郎

 弁護士赤木竜太郎は,一橋大学法学部法律学科,一橋大学法科大学院を卒業しています。  学部時代は王雲海教授のゼミで比較刑事司法学を学び,法科大学院時 ...

代表パートナー弁護士 中村 勉

 代表パートナー・弁護士である中村勉は,北海道函館市出身,中央大学法学部(渥美東洋教授の刑事訴訟法ゼミ)を卒業後,司法修習を終了し,検事に任官しました ...

アソシエイト 柏本 英生

 弁護士柏本英生は,一橋大学法学部法律学科を卒業後,司法試験予備試験及び司法試験に合格し,司法修習を修了後に弁護士法人中村国際刑事法律事務所に入所しま ...

「刑事事件」に関する法律相談Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

tel mail
お名前 必須 ex.鈴木太郎
電話番号 必須 ex.090-000-000
メールアドレス ex.t-suzuki@nicd.jp
都道府県 必須
ご相談の種類 必須
弁護士へのご依頼予定 必須
ご相談内容
※200文字以内でご記入ください。現在の文字数は約0文字です。200文字を超過しています。

東京事務所では関東エリア
大阪事務所では関西エリアをカバーしています。