刑訴一部改訂解説(5) – 取調べの録音・録画制度の導入|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑訴一部改訂解説(5) – 取調べの録音・録画制度の導入

刑事弁護コラム

刑訴一部改訂解説(5) – 取調べの録音・録画制度の導入

概要及び解説

 刑事訴訟法の改正により,取調べの録音・録画制度が新たに導入されました。議論の段階では,全ての事件の取調べを録音・録画するべきだという意見もありましたが,裁判員裁判対象事件などの一部の事件で,かつ逮捕や勾留により被疑者の身体的拘束がなされている事件に限られました。
 このような事件であれば,原則として取調べの全過程を録音・録画することになりますが例外もあります。例えば,やや考え難いことではありますが,録音・録画をするための機器が故障してしまったような場合があります。他にも,指定暴力団が犯罪に関与している場合などは被疑者が報復されることを恐れて本当のことを話せなくなる恐れが高いので,録音・録画をしないことも許容されます。
 このように録音・録画された記録媒体は,被告人の供述書の任意性を立証する時に使用されます。すなわち,録音・録画したものを法廷で確認することにより,警察や検察が脅しや暴力を用いて被疑者に無理矢理自供させていないかなどをチェックすることが可能になるのです。この記録媒体の取調べ請求を検察が拒むような場合には,当該書面の取調べも裁判所が却下することになります。
 このような制度により,捜査機関による録音・録画義務が間接的に担保されていることになります。


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