刑訴一部改訂解説(8) – 証拠開示制度の拡充|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑訴一部改訂解説(8) – 証拠開示制度の拡充

刑事弁護コラム

刑訴一部改訂解説(8) – 証拠開示制度の拡充

概要及び解説

 証拠開示制度とは,当事者主義の理解の下,当事者の請求に基づきお互いの証拠の開示を可能とする仕組みです。従来の制度の下では,検察官の手持ち証拠が被告人側に開示されたとしても,証拠の全体像が分からないため,結局,証拠の位置づけや重要性が不明であるといった問題点がありました。そこで,証拠開示の適正な運用に資するよう,被告人側からの請求があるときは,検察官が保管する証拠の一覧表の交付が義務付けられることとなりました。
 また,改正によって検察官,被告人及び弁護人に公判前整理手続等の請求権を付与することとされました。改正前の法律においては,裁判所が検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いて,事件を公判前整理手続に付するかどうかを判断することとされていました(刑事訴訟法第316条の2第1項)。改正前は,弁護人が公判前整理手続に付すべき旨の申立てをしても,あくまでも意見にとどまり,裁判所が同手続に付さないこともありましたが,改正によって当事者にも権利として請求権を認めた点に意義があります。
 さらに,検察官が請求した証拠物に関わる押収手続記録書面等も開示対象として追加することになりました。証拠開示の対象範囲を拡大することが目的です。


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