危険ドラッグの一問一答|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

危険ドラッグの一問一答 危険ドラッグの一問一答

Q. 脱法ハーブとはなんですか?

 脱法ハーブは,平成23年上半期から濫用され,平成24年5月から6月には一大社会問題として浮上しました(和田清ほか「セミナー脱法ハーブを含む違法ドラッグ乱用の現状」日本薬剤師会雑誌第65巻第1号(2014)15頁)(なお,脱法ドラッグにかかる適用法令別検挙状況については,警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課「平成25年の薬物・銃器情勢確定値」(2014)9頁)。
 今日出回っている「脱法ドラッグ」は,その形態上の違いから,ハーブ系,リキッド系,パウダー系と分類され,脱法ハーブはハーブ系の脱法ドラッグといえます(前掲和田ほか15頁)。

Q. 脱法ハーブ(脱法ドラッグ)はいつごろ広まったのですか?

 1990年代に入り出回り始めたドラッグ製品は,麻薬や覚せい剤などの法律に触れないことから,その製品を扱う業者や使用者が「合法ドラッグ」と呼ぶようになったのです(小島尚ほか「脱法ドラッグから違法ドラッグへ」モダンメディア第52巻4号(2006)99頁)。
 しかし,平成12年ごろの当時厚生省医薬局の会議資料を見ると,『「脱法ドラッグ」とは多幸感や快楽感を高めるものとしてインターネット等で「合法ドラッグ」等と称して販売されるものであるが,薬事法上の医薬品に該当するものも多い』とあり,このころから,行政機関では「脱法ドラッグ」と呼ぶようになりました(前掲小島ほか99頁)。

Q. 脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の呼び方はどのように変遷したのですか?

 厚生労働省は,『従前の「脱法ドラッグ」という呼称は,これらが薬事法違反である疑いが強いにもかかわらず,法の規制が及ばないかのような誤ったメッセージを与えかねないため,……これを『違法ドラッグ』と変更すべき』とし,行政機関では違法ドラッグと呼ぶようになりました(厚生労働省脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会『違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策のあり方について(提言:要旨)』(2005))。

Q. 脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の流通経路を教えてください

 脱法ドラッグの成分の大半は,化学合成品であり,中国やインドなど新興国の化学工場で,工業用原料などの名目で製造されたものが使われているといわれています。脱法ドラッグ製造業者は1~2キログラム程度の単位でこれを輸入し,手作業で乾燥植物片に混ぜるなどの加工を行い,製品化しています。
 以前は,欧米で製品化されたものが日本に流入していましたが,平成24年頃から国内で製品化されているものと思われます(小森榮「脱法ドラッグと関連事件その1」季刊刑事弁護第75巻(2013)113頁)(MSM産経ニュース記事2012年7月26日)(47NEWS記事2014年6月6日(共同通信))。

Q. 脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の過去の規制態様を教えてください

 従来,脱法ハーブを含む違法ドラッグの規制について,麻薬及び向精神薬取締法(以下,「麻向法」といいます。)と薬事法での取締りがなされていました。麻薬と類似の有害性が疑われる化学物質等を,麻薬等に指定することにより対処を行ってきました。
 また,国では,違法ドラッグが薬事法2条1項3号の医薬品に該当するとして,いわゆる無承認無許可医薬品の疑いがあると判断し,監視指導を行っていました。
 しかし,麻向法では,規制範囲が対象物質含有製品に限定されること,麻薬等に指定されるまで1~2年の期間がかかるため,迅速かつ広範な規制に欠けていました。
 薬事法では,有害性の程度や表向きの標榜等の如何によらず,「人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」を全般に規制対象としていることから,麻向法に比べて格段に迅速かつ広範な規制が可能である一方で,医薬品との立証が難しいほか,個人的に使用するためとして輸入される違法ドラッグへの対処が難しいとされてきました。

Q. 脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の規制変更の状況を教えてください

 上記の問題点があったことから,平成18年に,幻覚等を有する一定の物質を厚生労働大臣が指定し,これを指定薬物として,輸入,製造,販売,授与等を禁止する等の強化を図りました(例えば,厚生労働省薬事・食品衛生審議会指定薬物部会議事録(平成18年11月9日)資料「違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策」)。
 さらにその後,化学構造が類似した特定の物質群をまとめて指定薬物とする包括指定が導入されました(厚生労働省「指定薬物を包括指定する省令の公布」)。
 平成25年,26年にかけては,麻薬取締官に対し指定薬物に関する取締権限,薬事監視員等に対し指定薬物の疑いがある場所への立入権限を付与したり,指定薬物の所持・使用等の禁止を追加したりと権限の強化が進んでいます(例えば,厚生労働省薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」(啓発資料)「薬物乱用の現状と対策」)。

Q. 脱法ハーブの効果効能を教えてください

 脱法ハーブは元々中枢神経抑制系である合成カンナビノイドが主で主流でした。合成カンナビノイドとは,大麻成分のΔ9-THCが作用するカンナビノイド受容体に作用する薬物の総称です。利用者としては大麻と異なる化学構造式を有する合成カンナビノイドに,大麻類似した薬理作用を期待して使用しますが,合成カンナビノイドであったJWH-018の化学構造式は,Δ9-THCと全く異なっており,同時に,その化学構造式の一部を替えた数多くの薬物が存在します。そのため,大麻と合成カンナビノイドとでは,「似て非なる物」と考えるべきです。
 さらに,今日の「脱法ハーブ」には,合成カンナビノイド以外に中枢神経興奮系を主とするリキッド系,パウダー系の成分が混ぜ込まれているものも存在します。代表的な中枢神経興奮系はカノチン誘導体であり,これはMDMAと類似の化学構造を有しており,それと類似の作用を示す可能性があります(なお,平成20年8月3日に麻薬に指定済みです)。これらのことから,脱法ハーブの効果効能は,「わかりません」と答えるしかなくなっています(前掲和田ほか17頁)。

Q. 脱法ハーブに関する自動車事故,危険運転での立件について教えてください

 平成25年に脱法ハーブを含む脱法ドラッグが原因でおこった危険運転致傷罪等交通関係法令に関する事故は38件あり,ハーブ吸引によるものでは,道交法違反・危険運転致傷で逮捕されたものがあります(前掲警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課9頁,24頁)。
 また,脱法ハーブによる運転事故で,危険運転致死傷罪裁判で有罪になった事件も存在します(名古屋地裁平成25年6月10日判決)。

Q. 「危険ドラッグ」に名称が変更になった経緯を教えてください

 厚生労働省は,「脱法ドラッグ」という名称では,脱法ドラッグが危険な薬物であるという内容が伝わらないと考えました。そこで,平成26年7月4日,「脱法ドラッグ」に代わる新しい呼称名を募集しました。
 そして,平成26年7月22日,電子メールや葉書での意見を参考に,「危険ドラッグ」という新しい呼称名を選定しました。新呼称は,規制の有無を問わず使用することが危ない物質であると明確に示すものです。なお,応募作品の1位は「準麻薬」だったのですが,「麻薬」・「薬物」という単語は,他の法令用語と重なるため使用が控えられました。


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