器物損壊罪で逮捕されたら|器物破損罪で逮捕される場合や対処法を解説します|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

器物損壊罪で逮捕されたら|器物破損罪で逮捕される場合や対処法を解説します

刑事弁護コラム 器物損壊罪で逮捕されたら|器物破損罪で逮捕される場合や対処法を解説します

器物損壊罪で逮捕されたら|器物破損罪で逮捕される場合や対処法を解説します

器物損壊罪で逮捕されたら|器物破損罪で逮捕される場合や対処法を解説します 器物損壊罪とは「他人の物を損壊し、又は傷害した」場合に成立する犯罪です。刑法261条は「前三条(258条~260条)に規定するもののほか」と規定していることから,「器物」とは文書・電磁的記録(データ)や建造物等を除く有体物一般のことを指します。

どのような行為が器物損壊罪にあたるのか

「損壊」とは

 上述の通り,刑法261条は他人の物を損壊し、又は傷害した場合に成立します。では「損壊」とはいかなる行為であるか問題となります。
 「損壊」とは一般に物の効用を害する行為と説明されています。やや抽象的な概念でありますが,つまりはある「モノ」の通常の利用方法により得られる機能を害する行為が損壊にあたります。
 例えば,通常の利用方法とは,お皿なら食事を盛り付けること,コップなら飲み物を入れることなどです。
 したがって,レストランの食器を割ってしまう行為は,もちろん損壊にあたります。それだけではなく,食器を利用させなくするために食器を持ち去る行為も,食事の利用に供するという食器の効用を害するため,器物損壊罪が成立する余地があります。(これ以外には食器に向かって放尿する行為も,損壊に当たり得ます。)
 但し,この場合,窃盗罪(刑法236条)との区別が曖昧になります。一般には,窃盗罪が財産犯であることから,モノの経済的効用を享受する意思(いわゆる「不法領得の意思」)の有無によって判断します。
 先ほどの例によると,食器を自宅などで利用する意思で持ち去った場合には窃盗罪が成立し,このような食器の経済的効用を享受する意思がない場合には器物損壊罪が成立することになります。
 少し前に,私生活の様子を一般人にスマホで撮影された有名人が,その一般人のスマホを持ち去った行為が器物損壊罪にあたるとして書類送検されました。
 これは,その有名人の持ち去り行為がスマホの効用を害するという点で損壊にあたり,もっとも,電話やメールの利用に供するというスマホの経済的効用を享受する意思までは有していなかったために器物損壊罪が成立するという判断でした。

未遂・過失の場合には成立しない

 未遂とは「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった(刑法43条)」場合を指します。つまりは,他人のモノを損壊しようとしたが,損壊に至らなかった場合のことを指します。
 刑法44条は「未遂を罰する場合は、各本条で定める。」と規定し,未遂犯を処罰するためには法律の特別の規定を要する旨定めています。そして器物損壊罪には未遂を処罰する規定が存在しないため,器物損壊罪に未遂犯は成立せず,不処罰となります。
 また,刑法38条は「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。」と規定し,器物損壊罪には過失犯の規定が用意されていないため,器物損壊罪にあたる行為をしてしまった場合であっても,故意がない場合には犯罪は不成立となります。
 もっとも,このような場合であっても,民事上の損害賠償責任は成立し得えます。

器物破損罪の罰則とは

必ず逮捕されるとは限らない

 器物損壊罪の法定刑は「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料(刑法261条)」です。
 科料とは,1万円以下の金銭の納付を求める刑罰のことです。

器物損壊罪で逮捕される場合とは

必ず逮捕されるとは限らない ~器物損壊罪は「親告罪」であるということ~

 器物損壊罪で逮捕される場合としては通常逮捕現行犯逮捕が考えられます。通常逮捕とは,捜査機関が事前に逮捕状を裁判所に請求して行う手続きであり,現行犯逮捕とは犯罪の実行行為を行ったその場等で逮捕される手続きのことを指します。もっとも,器物損壊罪にあたる行為を行ったからといって必ず逮捕されるとは限らず,一定の場合には在宅捜査となる可能性があります。
 これは,逮捕自体は刑罰ではないこと,身体拘束が本人の社会生活上重大な不利益を伴うことになるため,逮捕を行うには慎重な考慮が必要とされるためです。
 したがって,事案が軽微である場合には器物損壊罪では逮捕されない可能性があります。
 例えば,被害が極めて軽微である場合,被害届が提出されていない場合,民事的な賠償が既に終わっている場合等がこれにあたります。
 また,刑法264条は「第二百六十一条(器物損壊罪)…の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と規定していることから,器物損壊罪は親告罪であると言えます。告訴が存在しない段階では,告訴はあくまでも起訴のための条件があって逮捕の条件ではありませんが,逮捕自体されない可能性があります。
 このような場合には,警察は任意同行を求めて事情聴取を行うが,場合によっては事件を検察庁には送致しない処分(微罪処分)を行い,即日釈放となる可能性があります。

逮捕される場合とは

 上記以外の場合,つまり重大な事件については逮捕される可能性があります。例えば,被害品が高額である場合,連続して何件も行った場合,前科がある場合,被害者の処罰感情が強く被害届が提出されている場合などは逮捕される可能性があります。

器物損壊罪で逮捕されたら

 器物損壊罪で警察に逮捕された場合には48時間の身体拘束の後,検察官によりさらに24時間の身体拘束を受けます。さらに,検察官が引き続き身体拘束の必要があると判断した場合には勾留延長を請求し,それが裁判官に認められた場合,最大20日間の身体拘束を受けます。

器物損壊罪で逮捕された場合の弁護活動

 器物損壊罪は,他人のモノを「損壊する」類型の犯罪である以上,検察官や裁判官は被害者の処罰感情や損害の回復の有無というものを重視します。
 したがって,被害者の方との間で,示談が成立している場合や慰謝料の支払いが終えている場合,初犯であれば不起訴となる可能性が高いでしょう。
 もっとも,モノに対する思い入れは人それぞれであり,また故意の犯罪に巻き込まれるストレスはときに筆舌に尽くし難く,被害者にとって謝罪をそのまま受け入れることは必ずしも容易ではなく,このような場合には第三者の介入が重要となってきます。
 したがって,器物損壊罪で逮捕された場合には弁護士が早急に被害者の方とのコンタクトをとり,謝罪の意思を伝えることが弁護活動の第一歩となるでしょう。その上で,被害回復のため,慰謝料の支払いを含む示談交渉を開始することになります。交渉において,加害者側は(当然のことながら)どうしても弱い立場になり,より不利な条件を提示されがちです。

器物損壊罪で起訴されたら

 告訴が維持された場合であっても,重大な事案でなく,また初犯又は前科1犯程度でしたら,公判請求(いわゆる正式な裁判)がなされる可能性は低く,略式請求され,罰金となる可能性が高いと言えるでしょう。
 略式請求とは,簡易裁判所において,公判審理によらずに50万円以下の罰金または科料を科すことを求めるものです。この場合,書面で起訴処分や罰則が言い渡されるのみで,これにより身体を拘束されることはありません
 一方で,同種前科が複数存在する場合,又は重大な事件である場合には,公判請求をされる可能性が高いと言えるでしょう。
 もっとも,そのような場合であっても執行猶予を得ることは不可能ではありません。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。
 まとめると,器物損壊罪で逮捕された場合のポイントは以下の通りです。

  • 器物損壊罪とは他人のものを「損壊」する犯罪である。
  • 「損壊」とは物の効用を害する行為を指す。
  • 器物損壊罪において未遂犯・過失犯は成立しない。
  • 器物損壊罪で必ず逮捕されるとは限らない。
  • 器物損壊罪の弁護活動は被害者との交渉が大事。
  • 器物損壊罪で起訴されても,より有利な結果を得ることは可能。



「器物損壊」に関する刑事弁護コラム

「器物損壊」に関するご依頼者様の「感謝の声」

tel mail
お名前 必須 ex.鈴木太郎
電話番号 必須 ex.090-000-000
メールアドレス ex.t-suzuki@nicd.jp
都道府県 必須
ご相談の種類 必須
弁護士へのご依頼予定 必須
ご相談内容
※200文字以内でご記入ください。現在の文字数は約0文字です。200文字を超過しています。

東京事務所では関東エリア
大阪事務所では関西エリアをカバーしています。