強盗罪の条文|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

強盗罪の条文

刑事弁護コラム

強盗罪の条文(懲役・罰金・時効)について

強盗

刑法236条

 1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は,強盗の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
 2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

公訴時効

 10年(刑事訴訟法250条2項3号)

強盗致死傷

刑法240条

 強盗が,人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し,死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

公訴時効

 強盗致傷・強盗傷害罪: 10年(刑事訴訟法250条2項3号)
 強盗致死・強盗殺人罪: なし(刑事訴訟法250条1項柱書)

表1 罪刑・公訴時効

強盗罪強盗致傷・強盗傷害罪強盗致死・強盗殺人罪
死刑なしなしあり
懲役5年以上無期または6年以上無期
公訴時効10年10年なし

強盗罪の起訴・不起訴(起訴猶予)について

強盗罪

 平成24年に検察庁で処理された人員は2,776人です。
 また,平成24年に起訴されたのは1,330人,不起訴処分となったのは915人(うち,起訴猶予となったのは98人)となっています。起訴猶予率は4.37%です。

表2 罪名別検察庁終局処理人員・起訴率(平成24年)

処理人員2,776
起訴人員1,330
不起訴人員915
不起訴人員のうち起訴猶予98
起訴猶予率4.37%

 ※平成25年版犯罪白書によります。

強盗

 平成25年に地方裁判所で有罪判決を受けたのは482人です。うち,執行猶予が付されているのは125人です。執行猶予率は25.9%になります。

強盗致死傷

 平成25年に地方裁判所で有罪判決を受けたのは345人です。うち,執行猶予が付されているのは26人です。執行猶予率は7.5%になります。

表3 地方裁判所における有罪人員・執行猶予人員及び執行猶予率(平成25年)

強盗強盗致死傷
有罪人員482345
執行猶予人員12526
執行猶予率25.9%7.5%

 ※司法統計年報によります。

強盗罪の判例・裁判例について

 ※下記は裁判例の紹介であり,当事務所が扱った事例ではありません。

甲府地方裁判所 平成26年8月7日

 被告人は,金品窃取の目的で,被害者宅に窓から侵入し,金品を物色していたところ,被害者が目を覚ましたため,金品を強取することを決意し,同人にカッターのような刃物を突きつけ,脅迫し,強取しようとした。しかし,被害者の反抗を抑圧するに至らず抵抗されたため,殺意をもって,同人の頸部を締め付け,窒息死させた事案。
 被告人の犯行は,身勝手で短絡的であり,犯行の経緯や動機に同情すべき点はない。被害者遺族の悲しみは計り知れないものである上,被告人は強盗罪を含めた多数の前科があり,犯罪性向が進んでいた。被告人が自ら犯行を告白したことを考慮したとしても事件の重大性があまりに大きく,減軽の余地はないとして無期懲役刑に処した事例。

甲府地方裁判所 平成26年6月20日

 被告人は,金品窃取の目的で,被害者宅に窓から侵入し,金品を物色していたところ,被害者が目を覚ましたため,金品を強取することを決意し,同人にカッターのような刃物を突きつけ,脅迫し,強取しようとした。しかし,被害者の反抗を抑圧するに至らず抵抗されたため,殺意をもって,同人の頸部を締め付け,窒息死させた事案。
 被告人の犯行は,身勝手で短絡的であり,犯行の経緯や動機に同情すべき点はない。被害者遺族の悲しみは計り知れないものである上,被告人は強盗罪を含めた多数の前科があり,犯罪性向が進んでいた。被告人が自ら犯行を告白したことを考慮したとしても事件の重大性があまりに大きく,減軽の余地はないとして無期懲役刑に処した事例。

福岡高等裁判所 平成24年10月4日

 被告人は,CDアルバム及び発砲酒等を窃取し,警備員に取り押さえられたところ,所持していた包丁で警備員に傷害を負わせ逃走し,さらに通路上にいた歩行者に対しても包丁を突きつけ暴行を加えて傷害を負わせたものであるとして,強盗致傷罪で起訴され一審において懲役9年の言い渡しを受けた。これに対し被告人が法令適用の誤り及び量刑不当を理由に控訴した。
 福岡高裁は,被告人の窃盗後においてはいまだ逮捕されうる状況が継続していたのであるから,被告人のなした暴行は窃盗の機会の継続中になされたものであるとして強盗致傷罪の成立を認めた原判決は正当であるとした。また,量刑不当の主張については,短時間で窃盗を2回も繰り返していることや被害者らの負った傷害の程度,被害金額も1万4000円と少なくないことに鑑みると不当なものではないとして,被告人の控訴を棄却した。

津地方裁判所 平成24年7月13日

 被告人は,出所後に草刈り作業員として働いていたが持病の痛風が悪化して働けなくなり,生活保護も受けられなかったことから自暴自棄になり,包丁をもってなにか大きな事件を起こしてやろうと考え,ジャンパーの裏に包丁を隠し持ち,スーパーマーケットにおいて寿司パックなど4点を盗もうとし,被告人が寿司パック等を結んだところを同店の副店長2名に取り押さえられバックヤードに連行されたところ,隠し持っていた包丁を振り下ろし,副店長の一人に加療二ヶ月を要する傷害を負わせ,もう一人の副店長に対し包丁を振り上げ「殺してやる。」など怒号をあげて脅迫したという事案。
 裁判所は,被告人は被害者らがすぐ側に立っていることを認識しながら,狭い場所で,刃体15センチメートルもの包丁を迷うことなく振り下ろしたものであって,一歩間違えばより重大な結果が発生していた可能性も否定できない相当に危険で悪質な犯行であるとした。また,被告人が犯行に至った経緯や動機について見ても,被告人は一度仕事を見つけ,アパートに入居できるよう手配してくれた勤務先の人や知人等の手助けがあったにも拘わらず,被告人はその幸運を十分に自覚することなく年金が受給できるかといった確認もせずに安易に犯罪に走ったのであるから,酌むべき点はないとして,被告人に懲役7年を言い渡した。


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