接見禁止とは|身近な人が逮捕されても接見ができない場合がある!特徴を詳しく解説します|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

接見禁止とは|身近な人が逮捕されても接見ができない場合がある!特徴を詳しく解説します

刑事弁護コラム 接見禁止とは|身近な人が逮捕されても接見ができない場合がある!特徴を詳しく解説します

接見禁止とは|身近な人が逮捕されても接見ができない場合がある!特徴を詳しく解説します

 配偶者や子どもなど,身近な家族が突然逮捕されてしまったら,「本人と会って話がしたい,連絡を取りたい」「本人に着替えや手紙を渡したい」「弁護士に対応を依頼した方が良いのだろうか」等,このように心配されるのではないでしょうか。
 ただし,逮捕された直後や,警察署の留置施設で身柄を確保する勾留に接見禁止がついている場合は,いくら家族が会いたいと思っても本人に会うことはできません。接見禁止とはどのような制度なのでしょうか。また,接見禁止になっている場合はどうしたらよいのでしょうか。

接見交通権

 まず前提として,刑事事件で逮捕・勾留されている被疑者には,弁護人との接見交通権が認められています。また,他方で,一定の制約があるものの,家族との面会も許されています。身柄を拘束されている被疑者や被告人は,精神的に追いつめられることもありますし,自分ひとりで自分自身の権利や利益を守ることは難しいと言えます。そこで,被疑者を精神的に支えたり,法的な助言をすることが必要になります。そのために,被疑者や被告人には,家族や弁護人と面会すること(「接見」又は「接見交通」)が認められているのです。

接見禁止とは何か

 まず接見とは,刑事事件で身柄拘束を受けている被疑者や被告人と外部の人が会うことを言います。逮捕されると,72時間以内に勾留されるかどうかの判断がされることになり,勾留されるまでの72時間は,家族でも本人と接見することはできません。その後勾留されると,誰とでも接見が認められるようになるのが原則です。ただし,証拠隠滅や口裏合わせなどの恐れが強い場合には,弁護士以外の者との接見を禁ずる,接見禁止がされることがあります。

なぜ接見禁止になるのか

 外部との接見によって,罪証隠滅や証拠偽造などの危険があると判断される場合は,勾留後に接見禁止となってしまうことがあります。刑事訴訟法第81条は,「裁判所は,逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」には,弁護士以外との接見を禁止することができる旨を規定しています。基本的には検察官の判断および裁判所の審査によって接見禁止の要否が決められていますが,どのような場合に,接見禁止の理由が認められるかについて明確な基準はありません。
 接見禁止になりやすいケースとしては,下記のような場合が挙げられます。

逃亡の恐れがある場合

 住居不定者,独身者,定職に就いていない者等は,一定の場所にとどまる理由がないため,逃亡のおそれが認められやすいといえます。

共犯者がいる場合

 身柄を拘束しておかないと,他の共犯者との口裏合わせが行われる可能性があります。

証拠の確保が未了の場合

 証拠の確保ができていない場合も,証拠を隠滅される可能性があります。

暴力団のような組織的犯罪の場合

 組織的犯罪の場合も,組織の他の者と口裏合わせをしたり,証拠を隠滅したりする可能性があります。

加害者関係者と被害者(目撃者)の接触を回避すべき場合

 友人や知人等をつかって被害者や目撃者に対して威圧するなど,何等かの接触をする可能性がある場合も接見禁止になることがあります。

接見禁止によって制限されること

 接見禁止になっている場合は,弁護人または弁護人になろうとする者以外との面会が禁止されます。
 また,接見禁止になっている場合は,手紙のやりとりも禁止されます。本人に伝えたいことがあるような場合は,弁護士に間に入ってもらうことが必要になります。なお,接見禁止になっていても,衣類,書籍やお金の差し入れをすることは可能です。差入れは,原則として,警察署で行う必要がありますが,郵送や宅急便による差し入れも受け付けていることもあります。
 実際に,郵送や宅急便による差し入れを受け付けているかどうかは,警察署に確認してみましょう。

接見禁止の期間

 接見禁止処分になった場合,どれくらいの間,面会等が禁止されるのでしょうか。期間については,明確な基準はありません。ただ,一般的には「証拠隠滅のおそれ」があるのは,捜査の終了時までです。勾留されている場合は,起訴前の勾留期間中の接見禁止が一般的になっています。つまり,起訴と同時に接見禁止が解除されることが多いと言えます。
 ただし,どれくらいの期間になるのかについては,事件やそのときの状況により異なります。捜査の進行に伴い,被疑者が全面的な自白に転じた場合や証拠隠滅等の可能性がなくなったような場合には,起訴前の勾留中に接見禁止が解除されることもあります。逆に,共犯が何人もいる事件において,共犯者の捜査が継続している間は接見禁止処分が解除されない場合もありますし,場合によっては裁判まで長引くこともあります。
 接見禁止について,処分が決定されたことやその期間については,家族には知らされませんので,弁護士や警察に確認するようにしましょう。

接見禁止でも面会する方法

 逮捕・勾留されると,被疑者は毎日のように取り調べを受け,心身への負担が大きくなってきますし,家族の心配も増してきます。
 できるだけ早く接見禁止を解除したり,面会をしたりするには,どうしたらよいのでしょうか。
 方法としては,①準抗告・抗告②接見禁止処分の解除申立て③勾留理由開示請求の3つがあります。以下,順に詳しく見ていきましょう。

①準抗告・抗告

 準抗告・抗告とは,刑事訴訟法で認められている制度で,裁判所の決定や命令に不服がある者は,簡易裁判所の裁判官に対しては地方裁判所に,その他の裁判官に対してはその裁判官所属の裁判所に,決定や命令の取り消しまたは変更を請求することができるというものです。
 第一回公判前は準抗告となり,第一回公判後は抗告になるというだけの違いであり,争う内容は同じです。準抗告や抗告が認められると,接見禁止が解除されて,その後は被告人と家族が接見できるようになります。

②接見禁止処分の解除申し立て

 接見禁止処分の一部解除の申立ては,刑事訴訟法などの法律上の根拠があるものではなく,裁判所に対する「お願い」になります。接見の全部解除ではなく,家族に限定しての一部解除であれば,接見禁止をつける必要がないことを主張すると,接見や手紙のやり取りを認めてくれることがあります。

③勾留理由開示請求

 準抗告や接見禁止の一部解除が認められなかった場合でも,勾留されている被疑者・被告人の姿を確認することができる手続きがあります。接見禁止処分そのものについて何か手を打つ,という性質のものではないのですが,勾留理由開示請求を行うと,家族も傍聴人として勾留されている人に会うことができるのです。
 勾留理由開示請求とは,勾留されている本人や弁護士等が,裁判所に対して,どのような理由で勾留されているのかを開示するよう求める手続きです。勾留理由の開示は公開の法廷で行われますので,家族も傍聴人として勾留されている被疑者・被告人の姿を確認することができます。会話まではできませんが,少なくとも姿を確認することは可能になります。
 また,勾留理由開示請求は,本人や弁護士だけではなく,被疑者や被告人の配偶者や親兄弟等も行うことができます。請求者は,法廷で裁判官に対して意見を述べることも可能ですので,この機会を利用して本人を勇気づけることも可能になります。

弁護士に依頼するメリット

 接見禁止処分がついていると,被疑者や被告人は家族とも会えず,心身ともに非常に大きな負担を抱えることになります。そのような中,唯一接見が認められるのが,弁護士です。弁護士であれば,接見禁止処分を受けていても,自由に被疑者や被告人と接見することができるのです。
 接見禁止になると,被疑者や被告人は疲弊しきってしまい,虚偽の自白などの危険性も高くなります。そのため,なるべく早く弁護士に接見に来てもらい,励ましやアドバイスを受けたりすることが大変重要となります。
 以下では,弁護士に依頼することのメリットをより詳しく見ていきましょう。

①逮捕直後でも接見可能

 逮捕から,勾留までの72時間については,弁護士以外の接見が禁止されています。理由は,捜査が始まる前で,証拠隠滅や犯人隠蔽の恐れがあるからです。弁護士であれば,本人にあって,話を聞き,今後の方針を話し合うことができます。

②弁護士だけが接見可能

 前述のように接見禁止処分を受けてしまうと,たとえ家族であっても面会をすることができませんから,弁護士との接見が家族や学校,会社の様子などを伝えることのできる唯一の手段になります。外と遮断されたところに拘束されている被疑者や被告人にとっては,弁護士と接見するだけでも,救われた心地になるのではないでしょうか。

③制限なく面会が可能

 家族等一般の方々の場合,面会できたとしても,平日1日1組まで,1回15分程度など,多くの制限があります。しかし,弁護士の接見には,時間に制限がないため,夜間や土日でも面会ができます。
 また,一般の方の面会には警察官が立会い,会話の内容が記録され,内容によっては接見が打ち切られることもありますが,弁護士の接見の場合は,警察の立ち会いなく,事件の内容も自由に話をすることができます。
 さらに,差し入れに関しても,一般の方からの差し入れは1日2回までのように規制されています。弁護士であれば,回数の制限なく差し入れできます。ただし,留置所内の治安の維持や,留置されている人の身の安全を考慮して,差し入れには細かい規制が設けられており,差し入れできるものと差し入れできないものがあります。
 一般的に,差し入れられるものとしては,衣類(紐やベルトのないもの),本,手紙,写真,便箋,現金があげられ,差し入れできないものとしては,靴,タオル,食べ物,お菓子,タバコ,ゲームがあげられます。留置所によっては異なる場合もありますので,事前に弁護士や警察署に相談するようにしましょう。

依頼できる弁護士の種類

 接見の依頼が可能な弁護士には,次の3種類があります。依頼のタイミングや役割も違いますので,家族等身近な方が逮捕されてしまった場合は,状況に応じて依頼する弁護人を選択するようにしましょう。

①当番弁護士

 当番弁護士は,1回であればどのような被疑者でも呼ぶことができ,無料で相談できます。

②私選弁護士

 刑事事件の被疑者・被告人またはその家族が私的に依頼する弁護士です。

③国選弁護士

 勾留後(あるいは起訴後)に依頼可能で,資産が50万円未満の場合などに依頼することができます。

 逮捕直後であれば,当番弁護士を呼ぶのか良いでしょう。当番弁護士は,逮捕後から勾留期間終了までであればすぐに呼ぶことができます。被疑者本人が警察官を通じて呼ぶこともできますし,ご家族の方から呼ぶこともできます。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。この記事では,接見禁止について解説をしてきました。逮捕や勾留は,被疑者・被告人に対する非常に大きな精神的負担になると言われています。精神的負担を軽減し,支えとなるのが,家族や弁護士など味方との接見や面会,手紙です。 
 万が一,配偶者や子どもが逮捕されてしまった場合も,記事を参考にして弁護士に対応を依頼するなど,落ち着いて対応するようにしましょう。


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