最新判例 平成27年12月4日|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

最新判例 平成27年12月4日

刑事弁護コラム

最新判例 平成27年12月4日

事案

 被告人が,被告人の養母を保険金目的で溺死させて保険金を騙し取ったことと,金銭トラブルで被告人の伯父を刺殺したことについて,殺人2件と詐欺1件で起訴された事案(裁判員裁判)。死刑の判決に対して,「刑の量定が甚しく不当」(刑訴法411条2号)として争われた。

判旨(最判 平成27年12月4日)

 被告人の犯行は「いずれも利欲的ないし身勝手な動機による計画性の高い,冷酷,非道な犯行である。理不尽に二人の生命が奪われた結果は極めて重大であり,(中略)被害者遺族らの処罰感情は厳しい。(中略)被告人は,共犯者が意のままになることを利用して(中略)おり,その責任は共犯者より相当に重い。被告人は,不合理な弁解に終始し,反省の情もうかがわれない。以上のような事情に照らすと,罰金前科しかないことなど,被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の刑事責任は極めて重大であり,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない」。

コメント

 死刑は生命を奪う極刑であることから慎重に選択されるべきとして,「犯行の罪質,動機,態様ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性,結果の重大性ことに殺害された被害者の数,遺族の被害感情,社会的影響,犯人の年齢,前科,犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき,その罪責が誠に重大であつて,罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと認められる場合には,死刑の選択も許される」(最判昭和58年7月8日,永山事件)とされている。
 本判決も,この基準に基づいた上で,動機,犯行の態様,被害感情や情状の点から,罪責が極めて重大で極刑もやむを得ないと判断したものと考えられる。


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