最新判例 平成28年4月26日|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

最新判例 平成28年4月26日

刑事弁護コラム

最新判例 平成28年4月26日

事案

 高利貸しを本件とする事業グループの従業員である被告人が,同僚2名及び知人と順次共謀の上,同グループの会長及びその息子である専務を殺害して現金等を強取しようと企て,長野市内の会長宅において,睡眠導入剤を用いて専務を昏睡状態に陥らせた。その際,専務の妻に不審を抱かれ,強盗殺人を成功させるために同女の殺害も決意して同女をロープで絞殺し,その後,専務及び就寝中の会長を順次,同様に絞殺して現金約416万円を強取し,同人らの死体を愛知県内の資材置き場まで運んで土中に埋めて遺棄するなどした強盗殺人,死体遺棄の事案。

判旨(最判 平成28年4月26日)

 被告人の刑事責任は極めて重大であるといわざるを得ず,被告人が警察から事情聴取を受けた末とはいえ自首し,反省の態度を示していることなど,被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,やむを得ないものとして,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

コメント

 被告人を死刑とする量刑が妥当かどうか争点となった事案です。死刑が相当か否かを判断するにあたり考慮すべき要素について,最二小判昭58.7.8刑集37巻6号609頁(永山事件)では,「犯行の罪質,動機,態様とくに殺害の手段方法の執拗性・残虐性,結果の重大性とくに殺害された被害者の数,遺族の被害感情,社会的影響,犯人の年齢,前科,犯行後の情状等各般の情状を併せ考察し」と判示しています。本件についてみると,被告人がかねてから会長親子から暴力的な扱いや脅しを受け心身ともに疲弊していたという酌むべき事情はあるものの,他の解決策を試みず,動機や経緯は安易かつ短絡的としています。また,綿密とはいえないまでも計画性が認められ,犯行態様は冷酷かつ非情であり,一度に3名の生命を奪ったという結果は誠に重大で,遺族の処罰感情は厳しいと述べています。さらに,被告人が犯行の提案,具体的な準備を進め,率先して殺害に着手していることなどから,終始犯行を主導したとして,死刑の量刑を維持しました。


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