盗撮事件の一問一答|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

盗撮事件の一問一答

刑事弁護コラム 盗撮事件の一問一答

Q. 電車で寝ていた女性の上半身を撮影した場合,「盗撮」ですか?

A.
 盗撮とは,駅構内やデパート内のエスカレーターで,前にいる女性のスカートの中を携帯電話のカメラで撮影する行為や,女性用トイレ内に侵入してトイレの中にいる女性の様子を撮影する行為などが典型的ですが,「正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為」を処罰するので,必ずしも下着等を撮影する行為のみが盗撮行為となるわけではありません。
 最近では,電車内で寝ている女性の上半身を撮影した会社員が,県迷惑防止条例違反(盗撮行為)で逮捕されたという事件が報道されていましたし,また,親の許可を得ることなく公園で遊ぶ幼女を撮影する行為も,盗撮による処罰の対象となり得ます。海水浴場で,水着になって遊ぶ女性だけを撮影する目的で,許可なく撮影する行為も同様です。
 なお,個人の住宅内など公共の場所以外で盗撮を行った場合には,軽犯罪法で処罰されます。

Q. 最近,盗撮事件は増えているのですか?

A.
 携帯電話が広く普及する以前には,かばんに小型の特殊なカメラを仕込んで盗撮をするような事件や,キーホルダーやボールペン型のカメラを用いた盗撮が比較的多く行われていました。ですが,カメラ付き携帯電話が急速に普及した昨今では,携帯電話を用いた盗撮が数多く行われるようになりました。
 警視庁の発表した統計によると,平成24年度に盗撮で検挙した件数は,合計で615件であり,前の年に比べて121件(約24%)増加したそうです。この数字は,5年前と比べて,盗撮の検挙総数が1.6倍に増えているそうなので,携帯電話の急速な普及と照らし合わせると,盗撮検挙数とカメラ付き携帯電話の普及率との間には相関関係が認められそうです。
 特に近年では,携帯電話の中でも,スマートフォン(スマホ)のカメラを使った盗撮行為が急増しています。警視庁によれば,615件のうち,108件がスマホを利用した盗撮事件だそうで,スマホのいわゆる「消音アプリ」を利用して,シャッター音を消したうえで盗撮に及ぶ事件も増加しています。

Q. 盗撮は痴漢よりも法定刑が重いというのは本当ですか?

A.
 痴漢と盗撮とで法定刑に差を設け,盗撮をより重く罰する条例もあります。
 東京都がそうですが,千葉県,埼玉県,神奈川県の各条例は,「盗撮・痴漢条例比較について」を参考にして下さい。
 盗撮行為をした場合,東京都の迷惑防止条例では,「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられますし,また,盗撮を常習的に行っていた場合には,「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられます。このような刑罰は,盗撮と同様に迷惑防止条例で処罰される痴漢行為と比べた場合,約2倍近く重いものです。都条例の盗撮の法定刑は,平成14年の改正で,それまでの懲役6か月以下,罰金50万円以下から懲役1年以下,罰金100万円以下に改正されたものです。

 たしかに,盗撮と痴漢は,同じ性犯罪であり,どちらも被害者本人の性的羞恥心を害する行為です。しかし,盗撮は,カメラやビデオを用いて性的羞恥心を害する行為をする犯罪なので,撮られた画像が記録媒体に保存されて,他者に流通してしまうおそれもありますし,被害者以外の人や場所が写ることで,多くの人のプライバシー権が侵害されるおそれもあります。その結果,盗撮は痴漢と比べて,社会秩序が害される程度が大きいので,公益を保護する必要性がより高いのです。以上のような点から,盗撮行為は痴漢行為よりも重く処罰されるよう規定されています。

 この点について,都議会議事録(平成14年6月6日警察・消防委員会)において次のような趣旨説明がありました。
 「ただいまご説明いたしました新たな禁止行為に罰則を設けるほか,第五条第一項に,卑わい行為の一形態として規制しております盗撮行為の罰則を強化しようとするものであります。このたびの罰則の強化は,昨年九月に卑わい行為等の罰則を強化したにもかかわらず,盗撮行為の検挙件数が増加していることや,インターネット上に盗撮ビデオを買い取る旨の広告が数多く見られ,盗撮行為を助長する傾向があることなどから,盗撮行為の抑止を図るためのものであります。まず,第一項に第三号を新設し,第五条の二のつきまとい行為等について,六月以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するとするものであります。次に,対照表下段の第二項を第三項に繰り下げ,新たに第二項として,卑わい行為のうち,盗撮行為について,一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処するとするものであります。」

Q. 盗撮が見つかったので画像をすばやく削除しました。捕まらないでしょうか?

A.
 不審な行動等から,あなたが盗撮の疑いを持たれた場合,その場で携帯電話やデジタルカメラに保存している画像を調べれば,盗撮行為の有無はただちに判明します。当然ですが,盗撮画像の存在は,捜査上極めて有力な証拠になるのです。
 そして,警察から取り調べられる前に,盗撮画像を消去したところで,警察の科学捜査班の手によって,容易に画像は復元されてしまいます。ですので,画像を消去したから大丈夫だと思って,取り調べにおいて盗撮行為を否認し続けていたとしても,その後,盗撮画像という決定的な証拠が復元されてしまった場合には,かえって検察官や裁判官の心証を悪くして,重い刑を科される結果ともなりえます。見つかってもすぐに盗撮画像を消せばよい,などと安易に考えて犯行に及ばないことです。

Q. 常習盗撮って何ですか?

A.
 盗撮のような秘密裏に行われる性的犯罪は,誰かに見つからない限り,自己反省をする機会を得られることもなく,慢性的かつ継続的に行われやすい性質があります。ですが,いったん逮捕され,携帯電話やパソコンが押収されてしまえば,記録されている画像の捜査によって,過去に犯した盗撮行為も含めて全てが明らかになってしまいます。そして,盗撮を常習的に行っていた場合には,「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられてしまいます。非常習の盗撮行為の場合には,「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられることからすれば,2倍も重い懲役刑が科されうるのです。
 このように,常習的に盗撮を行う者に対して重い刑を科すのは,何度も市民生活の平穏を脅かし,女性の性的羞恥心を害する行為を繰り返し行ってきた者の属性を非難し,規制を強化する必要性が高いと判断しているからです。社会生活秩序の維持を図るのが,都道府県に置かれた迷惑防止条例の趣旨ですので,常習者により重い刑を科すのは,条例の趣旨にも合致するのです。

Q. 盗撮犯を狙って恐喝する犯罪が増えているって本当ですか?

A.
 最近では,盗撮犯人に対して恐喝する事件が増えているようです。事案によって内容は様々で,盗撮を見つけた第三者が,「警察に突き出されたくなかったら示談金をよこせ」と迫るような場合です。そのような盗撮犯を狙って,エレベーターや階段など,盗撮が行われやすい場所に恐喝グループが張り込んでいるケースも見られます。
 盗撮犯人は,盗撮という卑劣な犯罪をしてしまった弱みや,警察に連れて行かれて犯罪が明らかになることに対する恐れから,相手の要求通りに金銭を渡してしまうそうです。しかし,恐喝犯の要求行為が一回で終わるとは限りません。何度も何度もお金を要求してくる,それが恐喝犯の性質なのです。
 盗撮を行ってしまい,第三者から執拗に恐喝を受けている場合には,勇気を持って警察に自首をして,盗撮の事実を素直に告白するとともに,恐喝被害についても相談をすることが,一連の事件解決には効果的かと思います。あるいは,弁護士に相談することが解決への早道です。
 ところで,全く盗撮していないにもかかわらず,恐喝されるケースもあります。報道によると,2013年7月,新宿駅近くの路上でスマートフォンを操作していた36歳の会社員の男性が「盗撮していただろう」と男に言いがかりをつけられ現金13万円を脅し取られました。
 また同年8月には,JR新宿駅構内の通路で26歳の会社員の男性が「スマホで盗撮をしていただろう」と別の男に言われ,現金50万円を脅し取られそうになりました。このように,本来何ら盗撮を行っていない人までもが,スマホを使って盗撮をしたと言いがかりをつけられ,恐喝被害に遭っているようです。
 このような事件が起きるのも,実際にスマホを使って盗撮している人が増えているからでしょう。外から見れば,歩きながらスマホを操作しているだけなのか,盗撮をしているのかを判別することはできません。ですが,恐喝犯人は,もし実際に盗撮を行っている犯人を捕まえることができれば,示談金を名目に金銭を脅し取れると考えているのだろうと思います。道路上で肩がぶつかっただけで金銭を脅し取られた,というような話は昔からよく聞きますが,スマホの普及した現代社会では,スマホで盗撮をしていただろうという「因縁」をつけられて恐喝されるおそれも出てきたことを示しています。
 もし上記記事のような方法で恐喝された場合には,すぐに警察や弁護士に相談してください。かえって,警察に盗撮を疑われるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが,警察署で恐喝の被害を相談する際,携帯電話を見せることなどによって盗撮していないことを説明できれば,盗撮で検挙されることはありません。


「盗撮」に関する取扱い分野

盗撮事件で逮捕されたら

盗撮(迷惑防止条例違反)の弁護士費用は,ご利用しやすい価格で  ご利用しやすい,分かりやすい費用体系でご依頼者様を強力弁護します。  また,「クレ ...

「盗撮」に関する刑事弁護コラム

盗撮事件の一問一答

Q. 電車で寝ていた女性の上半身を撮影した場合,「盗撮」ですか? A.  盗撮とは,駅構内やデパート内のエスカレーターで,前にいる女性のスカートの ...

盗撮の判例

川崎簡判平成14年5月28日 事案の概要  被告人は,走行中の電車内において,乗客V(当時23歳)に対し,その臀部左側をスカートの上から右手でなで ...

盗撮の示談交渉活動とは

盗撮の示談交渉活動とは  ご本人が盗撮の事実を認めている場合,弁護士は被害者との示談を開始します。  加害者本人と被害者の方が,直接示談交渉をする ...

「盗撮」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「盗撮」に関する解決実績

tel mail
お名前 必須 ex.鈴木太郎
電話番号 必須 ex.090-000-000
メールアドレス ex.t-suzuki@nicd.jp
都道府県 必須
ご相談の種類 必須
弁護士へのご依頼予定 必須
ご相談内容
※200文字以内でご記入ください。現在の文字数は約0文字です。200文字を超過しています。

東京事務所では関東エリア
大阪事務所では関西エリアをカバーしています。