詐欺罪の条文|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

詐欺罪の条文

刑事弁護コラム 詐欺罪の条文

詐欺罪の条文(懲役・時効)について

刑法246条

1項人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

公訴時効

7年(刑事訴訟法250条2項4号)

表1 罪刑・公訴時効

懲役10年以下
公訴時効7年

詐欺罪の起訴・不起訴(起訴猶予)について

 平成24年に検察庁で処理された人員は17,643人です。
 また,平成24年に起訴されたのは9,853人,不起訴処分となったのは11,458人(うち,起訴猶予となったのは9,422人)となっています。起訴猶予率は44.2%です。

表2 名別検察庁終局処理人員・起訴率(平成24年)

処理人員17,643
起訴人員9,169
不起訴人員7,492
不起訴人員のうち起訴猶予3,633
起訴猶予率21.8%

※平成25年版犯罪白書によります。

 平成25年に地方裁判所で有罪判決を受けたのは4,097人です。うち,執行猶予が付されているのは2,107人です。執行猶予率は51.4%になります。

表3 地方裁判所における有罪人員・執行猶予人員及び執行猶予率(平成25年)

有罪人員4,097
執行猶予人員2,107
執行猶予率51.4%

※司法統計年報によります。

詐欺罪の判例・裁判例について

宮崎地裁平成26年5月9日

事案の概要

 再婚し,児童扶養手当の受給資格を喪失後も不正に受給を継続していたとして詐欺罪の成否が問題となった事案。
 被告人は,再婚により受給資格が喪失することを知っており,提出書類等に在留資格として「日本人の配偶者等」と記載し,職員に対し,『Cさんと再婚しました。』『今,日本人配偶者』など伝えた。この被告人の供述を直接立証する証拠はないものの,不自然・不合理とはいえない上,検察官の主張も賛同するに値せず,被告人の主張を排斥することはできないとして,欺罔行為,詐欺の故意を否定し,被告人を無罪とした事例。

大阪地裁平成26年8月29日

事案の概要

 被告人がA等5名と共謀の上,小児慢性特定疾患である先天性骨形成不全症を伴う女児への支援を装って街頭募金の名目で不特定多数の通行人から金銭を詐取した事案。
 被告人は,Aの提案を受けて本件犯行を計画し,共謀者の予定・日時場所の指定・詐取した金銭の集計管理など,首謀者として主導的な役割を行っていたことから,利欲を目的に本件犯行に加担したことは明らかである。その上,1年以上という長期に渡り,常習的に犯行に及んでいる上,被害者の善意を利用し,極めて多数の者から金銭を詐取し,特定非営利法人の設立,女児の父親に対して少額の送金をして犯行発覚を防止する工作も行っており,極めて卑劣かつ悪質である。被告人に家族がいることなどの事情を考慮しても,その悪質性の高さから実刑はやむを得ないとして,懲役5年6月に処された事例。

名古屋地裁平成26年4月14日

事案の概要

 時計・宝飾品販売等の老舗会社Aの代表取締役として,同社の業務全般を統括していた被告人が,粉飾決算し,返済の見込みがないことを秘し,B保証協会の課長を誤信させ,全国緊急に基づく信用保証をさせるなど複数の詐欺行為を行った事案。
 各犯行の被害額は多額である上,詐欺行為により自社の経営を安定させるというのは,他者の負担や犠牲を伴うあまりに身勝手なものであり,強い非難に値する。被告人の態度等を斟酌し,量刑は求刑よりも軽くなったものの,執行猶予はつかず,懲役3年に処された事例。

福岡高裁那覇支部平成25年6月18日

事案の概要

 被告人は,香港の会社の社長として,未公開株の取引等をしており,未公開株式の売買という名目で現金を騙し取ろうとし,被害者らから現金の交付を受け,もって人を欺いて財物を交付させたとして,詐欺罪の公訴事実により起訴された,という事案。
 第一審は公訴時効が完成し免訴となったため,検察官が控訴したが,欺罔行為及び故意が認められず詐欺罪は成立しないとした原判決に,不合理や誤りはなく,控訴を棄却した事例。

広島高裁平成24年7月10日

事案の概要

 被告人が,雇用保険法に基づく中小企業緊急雇用安定助成金制度を利用して,国から助成金を受けようと考え,被告人又は共謀者の名義で5つの会社を仮装し,これらの会社が労働者に休業または教育訓練をして賃金を支払ったことがあるかのように装い,53回にわたって,虚偽の書類を提出して助成金の支給を申請して,国から同助成金の名目で合計1億2756万円余を騙し取ったという事案。
 原審は,被告人に懲役7年を言い渡した。
 被告人は量刑が重すぎるとして控訴したが,被害金額の大きさや被告人が本件犯行について終始主導的な立場にあったことからすれば量刑が重すぎるとはいえないとして控訴を棄却した。

青森地裁弘前支部平成23年11月22日

事案の概要

 被告人が,嘘で塗り固めた相続話で自らの信用を高め,言葉巧みに人の善意に付け込み,返済する意思や能力がないのにあるように装い,3名の被害者から合計1120万円を詐取した,という事案。
 裁判所は,被告人が相続等の書類を所持していない上,被告人の供述内容自体に不合理な変遷が見られること等を考慮し,被告人が土地の相続を受け,土地を売却した代金として約2億8000万円を所持しているという被告人の話が虚偽であることは明らかであり,金員詐取に向けられた欺罔行為及び詐欺の故意が,それぞれ認められるとした。また,裁判所は,各被害者はそれぞれ多額の現金を融通したものであって,各被害者の資力等に照らすと,生じた結果は重大であること,被告人からほとんど債権回収できていない各被害者が,厳しい処罰感情を示していること,常習的な犯行であり,再犯の懸念は強いという事情がある一方で,被告人が高齢であることや前科等がないことなども考慮し,懲役4年6月の刑に処した。

東京地裁平成23年11月1日

事案の概要

 証券会社の営業社員であった被告人が,顧客とその息子の2名に対し,現金を預けて国債を購入すれば高い利率で商品券を交付することができるなどとうそを言い,あるいは,購入するつもりのない株式の購入を持ちかけるなどして,18回にわたって現金合計1億2749万円をだまし取った,という事案。
 本件各犯行の身勝手かつ短絡的な動機,計画的かつ巧妙で悪質である犯行態様,被害の合計が極めて多額であること,今後の被害弁償の見込みも極めて乏しく,本件は常習的犯行でもあることから被告人の法規範意識の鈍麻は著しく,本件における被告人の刑事責任は相当重いとし,懲役7年の刑に処した。

東京地裁平成23年10月31日

事案の概要

 被告人は,被害会社の常務取締役という要職にあり,被害会社の店舗で発生した放火事件の遺族対応等を担当していたところ,その地位を悪用して,事情を知らない部下に指示して,遺族対応に関するコンサルタント料の支払という名目で,内容虚偽の書類を作成させるなどし,合計12回にわたり被害会社から総額3100万円を騙し取った,という事案。
 裁判所は,本件被害の弁償には充当されていないものの,被告人は,被害会社に対し,合計910万円余りを支払ったほか,所有していた子会社の株式200株を譲渡したこと,また,退職した月の役員報酬約半月分については受け取っていないこと,関連する前科がないこと,両親が身元の引受けを申し出ていることなど,被告人のために酌むべき事情も認められるが,他方で,被害額の大きさ,被告人の私利私欲を目的とした身勝手な犯行動機や被害会社の関係者らの処罰感情などから,被告人の刑事責任は重いため,刑の執行を猶予すべきではないとして懲役3年6か月の刑に処した。

東京地裁平成23年2月23日

事案の概要

 被告人が,氏名不詳者と共謀の上,氏名不詳者の指示に従っていわゆるオレオレ詐欺における現金の受取役をした,という事案。被告人に詐欺の故意があるか争点となった。
 裁判所は,本件詐欺が計画的・組織的に敢行された巧妙な犯行であるとしても,被告人が道具として利用された可能性もあることを考えると,そのことから当然に被告人が犯罪の内容を認識していたとはいえず,犯行に用いられた紙袋の中身を被告人が知っていたことを認めるに足りる証拠もないとした。
 一方で,検察官は,氏名不詳者の容姿を目の当たりにした時点で,自らの関わる犯行が振り込め詐欺ないしオレオレ詐欺といった犯罪ではないかと考えるべきあると主張するが,裁判所は,そのことから被告人が詐欺の故意を有していたと認定ないし推認することにも飛躍があるとした。また,検察官は,荷物を運ぶ仕事のためにわざわざスーツを着ていかなければならない理由も,偽名を名乗らなければならない理由も一切分からない旨述べて曖昧な供述に終始している被告人は極めて不自然かつ不合理であるとも主張するが,裁判所は,被告人の行動状況を考えると,理由が分からず氏名不詳者らの指示に従っただけである旨の被告人の弁解にもそれなりの信用性が認められるというべきであるとし,検察官の主張を採用しなかった。したがって,被告人に詐欺の故意があったことを認めるに足りる証拠はないとして,被告人に対し無罪の言渡しをした。


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