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刑事判例紹介(93) – 原本を転写した写しに伝聞法則の適用があるかが争われた事案

原本を転写した写しに伝聞法則の適用があるかが争われた事案

テレビニュースの映像を録画したビデオテープとビデオテープの映像の一部を静止写真化したテレビニュース画面写真帳の証拠能力が争われた。このビデオテープは、テレビ局各社が放映したビデオニュース番組のうち同闘争に関する部分を磁気録画装置を用いて警察官が録画したものであり、写真帳はビデオテープをテレビ受像機に再生し、その映像から本件に関係する場面を警察官が選択して写真機で撮影した写真からなる。

判旨(東京高裁昭和58年判決)

写し一般を許容すべき基準としては、原本が存在すること、写しが原本を忠実に再現したものであること、写しによっては再現しえない原本の性状が立証事項とされていないことを挙げることができる。以上に反し、原本の提出が不可能又は著しく困難であることを、写しの許容性の基準に数える必要はない。蓋し、それは、最良証拠の法則ないしは写し提出の必要性の問題であるにすぎないからである。

コメント

写しはそれと同内容の原本が存在することを証明するために使用します。このような使用は、原本が文書の場合でも写しの内容の真実性を証明するために称する場合ではないため、伝聞法則の適用はありません。そして、写しの証拠能力は本判決が挙げた基準を満たせば認められることになります。本件では、ビデオテープ及び写真帳は写しにあたり、写し一般の許容基準に合致するため証拠能力が認められました。

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