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最新判例平成28年6月16日

事案

18歳の少年である被告人が、同棲相手の女性Aに対し、数十回模造刀及び鉄棒で全身を殴打するなどの暴行を加えて傷害を負わせた。被告人は、実家に逃げたAを連れ戻そうとし、警察に通報するなどして邪魔をするAの姉B、Aの友人女性C及びBの友人男性Dに対し、いずれも殺意をもって、牛刀で胸部を突き刺した。よって、B及びCを失血死させるなどして殺害し、Dに右肺損傷等の傷害を負わせ、Aを自動車に乗せて略取したという傷害、殺人、殺人未遂、未成年者略取、銃砲刀剣類所持等取締法違反の各罪が問われた事案。

判旨(最判 平成28年6月16日)

被告人が一定の反省の念及び被害者や遺族に対する謝罪の意思を表明していることなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であって、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

コメント

18歳の少年である被告人を死刑とする量刑が妥当かどうか争点となった事案です。第1審判決では、いわゆる永山事件で示した死刑選択の基準に従い、犯行の罪質、動機、態様結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を考慮し、特に犯行態様の残虐さや被害結果の重大性からすれば、被告人の罪責は誠に重大であって、被告人なりの反省など被告人に有利な諸事情を最大限考慮しても、極刑を回避すべき事情があるとは評価できず、被告人については極刑をもって臨むほかないと判示しています。

本判決は、裁判員裁判において、少年に対して死刑を言い渡した初の事例としても話題になりました。最高裁も、犯行の罪質及び結果の重大性、身勝手極まりない動機、被害者に落ち度のないこと、殺害行為等の態様の冷酷さ、残忍さ、Dや遺族の処罰感情が峻烈であることなどを示し、被告人が少年であることや前科がないこと、反省及び謝罪の念を表明していることなどを考慮しても、第1審判決の死刑の科刑が相当としました。

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