裁判所の令状なく、捜査対象者の車などに全地球測位システム(GPS)端末を取り付ける捜査の違法性が争われた窃盗事件の上告審判決で、最高裁判所は初めて、令状のないGPS捜査を「違法」とする判断を示しました。
今回の判決では、GPS捜査が対象者のプライバシーをどの程度侵害するかが争点でした。弁護側が「プライバシーが大きく侵害されるので、強制捜査にあたり、令状なしで行ったのは違法だ」と主張したのに対し、検察側は「尾行などを補助する手段で、令状が必要ない任意捜査の範囲内」だと反論していました。
最高裁判所は、令状が必要な「強制捜査」にあたると判断し、令状なしで行われたGPS捜査を「違法」と認定しました。さらに、最高裁は「新たな立法措置が望ましい」とも言及しました。
GPS捜査について、警察庁は令状なしでも実施できる任意捜査と位置づけており、GPS端末を使った捜査をめぐっては、各地の地方裁判所や高等裁判所で違法性が争われ、結論が分かれていましたが、最高裁判所により初めて統一的な判断が示されました。
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