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殺人罪の条文、裁判例とは

殺人罪の条文(死刑・懲役・時効)について

殺人罪(刑法199条)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

公訴時効

なし(刑事訴訟法250条1項柱書)

殺人罪
死刑 あり
懲役 無期または5年以上
公訴時効 なし

殺人罪の起訴・不起訴(起訴猶予)について

平成24年に検察庁で処理された人員は1,198人です。また、平成24年に起訴されたのは367人、不起訴処分となったのは787人(うち、起訴猶予となったのは48人)となっています。起訴猶予率は4.16%です。

殺人罪
処理人員 1,198
起訴人員 367
不起訴人員 787
不起訴人員のうち起訴猶予 48
起訴猶予率 4.16%

※平成25年版犯罪白書によります。

平成25年に地方裁判所で有罪判決を受けたのは318人です。うち、執行猶予が付されているのは87人です。執行猶予率は27.4%になります。

殺人罪
有罪人員 318
執行猶予人員 87
執行猶予率 27.4%

※司法統計年報によります。

殺人罪の判例・裁判例について

前橋地方裁判所平成26年8月29日

重度のうつ病にあった被告人は、子育ての悩みなどから強い自殺願望を抱き、長男と無理心中を図ろうと、殺意をもって、同人の顔面付近を布団の上から両手で押さえつけ鼻口部を塞ぎ、窒息死させた事案。

被告人が長男に対して深い愛情を持っており、当日の被告人の様子などを併せて考えると、被告人が上記犯行に出たことは、重度のうつ病などによる心神耗弱状態が著しい影響を与えたことは明らかである。また被告人の夫も被告人の更正を望んでいる。以上の事情を考慮して、裁判所は、被告人に対して懲役3年、執行猶予5年とした事例。

名古屋地方裁判所平成26年8月7日

被告人は、浮気をしていたことが交際相手に発覚し、そのことで一方的に責められ続けたことに立腹し、同人の頸部を、殺意をもって締め付け、同人を窒息死させた事案。

話し合いという平和な解決方法があるにもかかわらず、自己の職場での立場を守るため、殺人という最悪の選択をした自己中心的かつ短絡的犯行であり、自衛隊勤務経験のあることと被告人の犯行態様を考えるとその殺意はかなり強固なものであったといえる。その上、被告人は、被害者の遺体を遺棄した上、同人の家族に対し、生存を装っており、悪質である。突発的犯行であり計画性がないこと、被告人に前科がないこと、反省の姿勢を示していることなど、責任を軽減する事情を考慮しても、被告人の犯行は重大であるとして、懲役14年の判決を下した事例。

京都地方裁判所平成26年7月25日

被告人は、母親への介護疲れからストレスを募らせ、かかる生活を終わらせるため、同人に対し、殺意をもって、その腹部に馬乗りになった上、その頸部にドライヤーのコードを巻き付け強く締め付けたが、憐憫の情から自己の意思で犯行を中止した事案。

被告人の犯行は、被害者を死亡させる高度の危険性を有する行為であるが、被告人には中止未遂が成立する上、被告人と母親は相互に強く依存し合い、介護施設への入所を母親が強く拒絶していた状況に照らせば、母親と別々の生活を歩むという手段を採ることは現実的には相当困難であった。そして、母親も被告人の処罰を望んでいないこと、被告人は犯行後、自ら自首しており、反省がみられることなどを考慮し、懲役3年、執行猶予5年とした事例。

福岡地方裁判所平成25年7月12日

被告人が、妊娠中の妻を殺害し、心中を装った事案。
被告人は同意殺人の成立を主張したが、被告人の供述において、被告人が心中を決意した経緯や妻の同意を得た時刻、妻の反応や言動、薬物使用による幻覚や幻聴の有無の部分が大きく変遷していること、それに加え被告人において思い詰めた事実が見られなかったことから、被告人と妻との間に心中に関するやり取りはなかったと認められるとし、同意殺人の成立を否定し、被告人を殺人罪で懲役16年に処した事例。

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