NICD設立の趣意|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

NICD設立の趣意

刑事弁護コラム NICD設立の趣意

NICD設立の趣意

 私は,検事時代に人事院行政官在外研究制度で英国に派遣され,刑事司法制度を学びました。スコットランドヤードの警察署や検察庁(The Crown Prosecution Service),中央刑事裁判所(Old Bailey)などの現場も見聞して参りました。当時,英国では,既に取調べの録画録音制度が採用され,軽罪における簡易迅速な公判手続,アレインメント制度,そして中央刑事裁判所における陪審裁判など,見るものすべてが別世界のものでした。中央大学法学部時代に渥美東洋先生から英米刑事法を叩き込まれていたのですが,百聞は一見にしかず,の観がありました。

 特に,取調べ録音制度は斬新で,それまでの検事経験で当たり前と思っていた「取調べ観」が根底から覆される経験でした。検事時代,この英国での経験がなければ,おそらく弁護士に転向せずに今でも検事であり続けていたと思います。何故なら,帰国後,東京地検特捜部でのある捜査で,否認し続ける共犯被疑者の取調べを担当していた私は,主任検事から,「中村,お前は被疑者を毎日朝から晩まで怒鳴り続けていればいいんだ!」という,法律家らしからぬ「命令」を受けて失望し,あっさりと,8年間勤めた検事を辞職してしまったからです。

 検事を辞め,弁護士になってからも,英米刑事司法への思いは絶ち難く,フルブライト留学生として,ニューヨークにあるコロンビア大学ロースクールへLLM取得のために本格的に留学しました。ここでは,ジョージ・P・フレッチャー教授等に師事し,米国における「自由」というコンセプトやCRIMINAL JUSTICEについて多くを学び,大いに目を見開かされました。大海を見た私にとっては,日本検察が“井の中の蛙”に思えました。

 平成18年,米国から帰国後,私は,「日本の身柄拘束期間は,一部の重罪被疑者を除き,多くの被疑者にとってはあまりにも長すぎる。」,「取調べが前近代的で被疑者にとって過酷に過ぎ,時には人権侵害と言えるものも散見される。」「保釈率があまりにも低すぎる。特に,外国人に保釈がほとんど認められないのは一種の差別だ。」,「刑事弁護士の質が必ずしも高いとは言えない。」,「日本の刑事司法制度は,官選である国選弁護人や弁護士会の当番弁護士,あるいは,パブリック事務所の弁護士に依存し過ぎている。」という疑問や思いにかられ,何とか刑事司法制度を改革したいという気持ちを強くしました。

 しかし,一方で,わが国で刑事弁護を担っている多くの国選弁護士,当番弁護士とは,驚いたことに,むしろ検事よりも保守的かつ有罪推定の先入観をもった者が多く,ほとんど依頼者の期待に応えていないという現実に大きな危惧感を抱きました。私に相談に来る人々の中には,「弁護士が自分の言い分に耳を貸してくれない。」,「弁護士は全く接見に来てくれない。」,「弁護士は勾留がつくからやってなくても認めろと言う。」,「今後の刑事手続の流れについて全く説明してくれない。」などと言った不満を口にする者が多かったのです。

 そこで,一時は,立法府に進んで刑事関連法改正によって刑事司法制度を根本から変えようと考え,地元の選挙区支部長(公認候補)になって政治家になるチャンスを窺ったこともありましたが,まずは自分に出来るところから始めようと思い直し,刑事弁護士の立場で実務を改善していこうと決心しました。刑事実務を変えるためには,官選でもない,弁護士会派遣でもない,純粋なプライベート・ディフェンス・ローヤーの専門集団が絶対に必要だと考えたのです。

 こうして,本格的な刑事弁護専門事務所の構想を練り上げ,設立準備に取り掛かり,法律家として16年間の経験を蓄積し,ちょうど検察官,弁護士としてそれぞれ8年間ずつ刑事実務に携わった平成21年,中村国際刑事法律事務所を立ち上げたのでした。
 平成21年と言えば,裁判員裁判が新しい刑事裁判制度として始まったばかりの頃で,足利事件にみられる冤罪事件など,刑事事件に対する国民の関心は高まりつつありました。裁判員裁判制度を導入するに当たって,民事で多忙な私選弁護士では集中審理に現実的に対応できないという理由で,法務省と日弁連の半官半民の「法テラス」を作ったり,弁護士会運営のパブリック事務所を増やしたりしましたが,そのような「公的な」弁護士では,本質的に依頼者に対するサービス・コンセプトに欠けるのではないかという思いがありました。

 一方で,私選弁護士と言っても,組織力,陣容,教育制度,法廷技術,どれをとっても多くの弁護士は,残念ながら,検事のレベルより下でした。裁判員裁判第一号事件の担当弁護士がいみじくも言ったように,国家的プロジェクトとして裁判員裁判に取り組んでいた検察庁と,相変わらず個人商店のままの刑事弁護人との闘いは,「戦車 対 竹槍」に例えられる状況にあったのです。このような状況を打開し,少なくとも「戦車 対 戦車」のレベルにまで刑事弁護の能力を高めようとチャレンジしているのが中村国際刑事法律事務所なのです。

 中村国際刑事法律事務所は,平成24年8月,弁護士法人として生まれ変わりました。将来的には,弁護士数50人規模のブティックファームを目指します。接見専用の車両数台を保有し,事務所付属の(仮称)刑事弁護研修センター(模擬法廷,語学ラーニング設備等)を設置し,裁判員裁判も同時に3戦線,4戦線と戦えるような組織を構築し,海外支部も設置して国際的な経済犯罪,ホワイト・カラー犯罪にも対応できるようなプロフェショナル・ファームをこの手で造り上げようと思っています。

刑事弁護士 中村 勉


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