法律相談Q&A

Q.
(裁判員裁判01)裁判員裁判における量刑(量刑評議に弁護士はどう対応すべきか)

A.

 裁判員裁判においては,有罪か無罪かの判断だけでなく,被告人の刑罰をどの程度にするかという量刑についても,裁判官だけでなく裁判員も参加して判断することになります。そのため,裁判官の裁判とは異なる対応を弁護士も迫られます。

 通常の裁判官の裁判では,裁判官はこれまでの裁判例などを考慮して,量刑を判断していきます。勿論,裁判員裁判でもこれまでの裁判例などを参考にすることになりますが,一般人である裁判員は,より裁判の場における印象を大事にします。そのため,弁護士は,裁判員が分かるように事件を噛み砕いて説明する必要があります。裁判員が持っている,「被告人は,なぜ事件を起こしたのだろうか」「被告人は,検察官が話すように極悪非道な人間なのだろうか」といった疑問に対して,弁護士が分かりやすく答えていけば,裁判員は,弁護士の話を真摯に聞いてくれることになります。

 また,量刑評議に入る前に,弁護士は弁論を行うことになりますが,その弁論で,弁護士は,裁判員に被告人の主張を理解し,共感し,納得し,そして評議の場で代弁してもらえるように説得していかなければなりません。
 裁判員は,事件に利害関係がないため,フラットな気持ちで裁判に臨んでいます。そして,そんな裁判員は,公平で正しい判断をしたいと思っています。そのような気持ちになっている裁判員に対して,弁護士が無理矢理被告人を良く言うような弁論をしても,全く理解も共感も納得も得られません。弁護士は,弁護士から見た事件の筋書きが正しいことについて,裁判の場で示された証拠を根拠にして,裁判員を説得しなければならないのです。そこには,被告人にとって不利な事実や証拠についてもきちんと議論した上で,弁護士の見立てが間違ってはいないことを説明するということも含まれるでしょう。
 また,弁護士は評議に参加することができませんから,裁判員の中に弁護士の主張を代弁してくれるような人間を創造していく必要もあります。そして,その人間が評議の中で積極的に発言してくれるように,弁護士が励ます必要があります。一般人である裁判員は,専門家である裁判官に対して控えめになりがちですが,弁護士が弁論において,裁判員が感じたことを評議で発言しても何も問題ないし,むしろそれこそがあるべき姿なのだということを説得的に伝えれば,裁判員も評議で活発な議論ができると思います。

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