法律相談Q&A

Q.
(裁判員裁判03)裁判員裁判と公判前整理手続(一般事件との相違点,特徴など)

A.

 裁判員裁判においては,一般の裁判官事件と異なり,公判前整理手続が必ず取られます。
 この公判前整理手続というのは,最初の公判期日の前に,裁判所,検察官,弁護人が,争点を明確にした上で,これを判断するための証拠を厳選し,審理計画を立てることを目的とする手続です。これまでの刑事裁判,特に争点が複雑な事件などでは,大量の書類を証拠として採用したり,また,証人に対しても長時間にわたり詳細な尋問を行った上,裁判官がこれらの書類や証人尋問の記録(調書)を読み込んで判断をするという審理が少なくありませんでしたが,裁判員の負担を考えると,大量の証拠を読んでもらうことや,長時間にわたる詳細な証人尋問を行うことは現実的ではありません。そこで,裁判員裁判では,法廷での審理を見聞きするだけで争点に対する判断ができるような審理をするために公判前整理手続が導入されました。

 この公判前整理手続では,裁判所が検察官と弁護人の主張を聴き,真に争いがある点(争点)はどこかを絞り込みます。公判前整理手続の導入により,検察官は,これまでよりも広く証拠を開示するようになっており,それに合わせて,弁護人も早期に主張を組み立てやすくなりました。また,公判前整理手続では,裁判所,検察官,弁護人が一緒になって,争点を立証するためにはどのような証拠が必要か,それらの証拠をどのような方法で調べるのが相当かなどを検討することになります。そのため,裁判の際に出てくる証拠はより厳選されることになりました。このような作業を経た上で,裁判所は,公判の日程をどうするか,証拠調べにはどのくらいの時間を当てるか,証人はいつ尋問するかなど,判決までのスケジュールを立てていきます。

 このように,公判前整理手続において,主張や証拠が厳選されていますので,裁判員裁判の公判自体は短期間に集中して行われることになります。そして,書面ではなく供述が中心で進んで行きます。そのため,弁護士としては,公判の場でいかに裁判員にアピールするかが重要になります。
 ただ,このような公判前整理手続にも問題はあり,主張や証拠を厳選するのに時間がかかり,逮捕から公判までの期間が長くなりすぎるきらいがあります。その点ついては,今後改善が求められるでしょう。

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