法律相談Q&A

Q.
(裁判員裁判05)裁判員裁判における共犯事件への対応

A.

 共犯事件においては,共犯者からの事情聴取が重要になってきます。そのため,弁護人としては,すぐさま共犯者に接見し,話を聞きたいと思うでしょうが,いくつか注意しなければならないことがあります。共犯者間においては,しばしば利害対立が生じるため,利益相反に十分注意しなければなりません。また,弁護人の活動が捜査機関から罪証隠滅や捜査妨害の疑いをかけられるおそれもありますので,その点も注意しなければなりません。
 このような問題に直面しないために,弁護人は,まず共犯者と接見する際には,共犯者の弁護人の了解を得て,接見すべきでしょう(理想をいえば,共犯者の弁護人にも立ち会ってもらうべきでしょう。)。そして,もし接見ができない場合には,共犯者の弁護人から間接的に共犯者の供述内容を聞く形で我慢するしかないでしょう。
 この点について,「弁護人になろうとする者」の立場で共犯者に接見するという方法も考えられますが,本来の接見交通権の趣旨に反することになりますので,控えるべきだと思われます。

 次に,公判段階に入ってからですが,共犯者がいる事件については,被告人が共犯者と共に起訴され,同一の裁判所に係属して,共同して審理を受けることになる例は多々あります。しかし,当該被告人と共犯者との間には,前述のように,利害が相反することが多く,弁護人は,裁判を進行していく上で十分に注意しなければなりません。
 裁判員裁判であれば,相被告人に必ず弁護人が付いていると思いますので,その弁護人との間で,弁護方針についての打ち合わせをする必要があります(なお,被告人段階においても,相被告人から事情聴取したい場合には,相被告人の弁護人と協力する必要があり,協力を得られない場合には,無理に接見・面会することは避けるべきです。)。その結果,双方の弁護方針が異なる場合,あるいは被告人間の利害が相反し,共同審理をすることが不適切である場合には,公判前整理手続段階で検察官及び裁判所と打ち合わせをし,弁論の分離を求めることになります。裁判員裁判の場合には,一般人である裁判員の負担が大きいことから,一般の裁判官裁判よりも弁論の分離を行う必要性が高いケースが多いでしょう。

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