法律相談Q&A

Q.
(裁判員裁判07)裁判員裁判で死刑が求刑される事件への対応

A.

 裁判員裁判対象事件は,①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に関する事件,もしくは,②上記①を除き,法定合議事件(複数の裁判官によって審理等が行われる事件)であって,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関する事件になりますので,裁判員裁判において,検察官が死刑を求刑することはあります。
 実際に,最近でも,被告人が金融会社の役員である資産家の男性とその妻を殺害し遺体を埋めたとされる強盗殺人事件で,検察側が,被告人の犯行は,強固な犯意に基づく犯行で,更生の可能性はない旨述べて,死刑を求刑した事案があります。

 それでは,このような死刑を求刑される事件において,弁護士はどのように対応したらいいでしょうか。
 死刑に関する問題は,結果が重大であるだけでなく,考慮すべき事柄も複雑,多面的ですから,弁護人としても,その点を十分に意識して対応していかなければなりません。特に,死刑制度については,その刑そのものについて賛否が分かれる問題でもありますから,その点についても,裁判員に説明していく必要があるでしょう。
 一般的に,死刑が相当か否かは,犯行の罪質,動機,態様,ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性,結果の重大性ことに殺害された被害者の数,遺族の被害感情,社会的影響,犯人の年齢,前科,犯行後の情状など各般の情状を合わせて考察するとされています。そのため,弁護人は,これらの要素に沿って,弁護側に有利な主張(死刑を回避する方向での主張)を展開していくことになるでしょう。
 ただ,死刑か否かについては,おおかた先例によって相場が決まっている部分もあります。そのため,裁判官としては,この先例を基準として判断していく傾向にあります。しかし,先ほども述べたように,死刑というのはその刑そのものの賛否が分かれるほどの重大な刑罰です。ですから,先例がどうなっているかということだけではなく,被告人の更生の可能性が本当にないのかなどの点についても十分に考慮するように,弁護人は,裁判官・裁判員に訴えていく必要があります。裁判員の方々は,被告人の人となりに強い関心を持つケースが多いように感じますから,その点についても弁護人は積極的に主張していく必要があるでしょう。

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