法律相談Q&A

Q.
(裁判員裁判13)裁判員裁判で必要な尋問技術とは

A.

 弁護人が主尋問を行う場合には,裁判員が初めて聞いて分かる尋問にしなければなりません。裁判員裁判では,裁判員は事前に行われる公判前整理手続等に参加しませんので,公判で初めて事件の内容を知ることになります。そのため,主尋問では,裁判員の方々が理解しやすいように,弁護人が質問していかなければなりません。
 具体的には,まず質問の内容・回答の内容を分かりやすくするために,一問一答を心がけなければなりません。質問の内容が複数になれば,証人も答えづらいですし,裁判員の方々も理解しづらくなってしまいます。また,できるだけ事件の流れなどの時系列に沿って,質問していかなければなりません。先にも述べた通り,裁判員は初めて公判で事件を知るため,事件の細かい流れなどを把握しきれていません。そんな中で,飛び飛びに質問していってしまえば,裁判員は間違いなく混乱してしまいます。裁判員の方々が流れを理解できるように,弁護人は時系列に沿って尋問すべきです。さらに,法曹三者と異なり,裁判員に選任される人の多くは,刑事裁判を初めて体験される人ばかりです。そのため,弁護人がどんな順序で質問していくか予想することが難しいので,弁護人は前もってこれからどんな事項についての質問をしていくか示していく必要があります。そうすることによって,裁判員の方々が集中して尋問を聞くことができます。

 次に,弁護人が反対尋問を行う場合に必要なことですが,反対尋問では弁護人の立ち居振る舞いも裁判員の方々から見られています。ですから,弁護人が,証人に対して,威圧的な態度を過度に取ったりすると,せっかく反対尋問が成功しても,裁判員の方々の印象が悪く,思ったほどの効果を発揮しないこともあります。弁護人は,紳士的な態度で,落ち着いた状態で尋問を進めていくべきでしょう。また,主尋問と同様ですが,反対尋問においても,できるだけ時系列に沿って聞いていく方がいいでしょう。被告人の主張するケースストーリーと異なる点を反対尋問で崩していくことは重要ですが,飛び飛びになってしまえば,裁判員の方々の記憶に残りにくくなります。流れに沿って,矛盾をついていくスタイルの方が裁判員にとっては理解しやすいでしょう。さらに,反対尋問ではいいリズムで質問することで,証人がこちらに有利な供述をすることもあるので,弁護人は早すぎず遅すぎずの適度なスピードで尋問をしていくべきでしょう。

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