より温かい保護環境を少年たちへ

初動における弁護活動の重要性(逮捕・勾留と家裁送致)

 刑事事件を起こした少年は,事案の重さなどにより,警察に逮捕されることがあります。事件の内容が軽微である場合には,逮捕されずに捜査を行い,あるいは,逮捕後に勾留されずにそのまますぐに家庭裁判所へ送致されます。この場合,逮捕後48時間以内に家裁送致となります。
 一方,事件の内容が重大であり,罪証隠滅や逃亡を防ぎつつ,捜査にある程度時間を要する場合には,少年は逮捕後に検察庁に送られ(検察庁送致),検察官が「勾留」という身柄拘束の延長措置(最長20日)を24時間以内に裁判官に請求し,裁判官の判断により勾留されることがあります(当初は10日間,延長されると最長20日間)。勾留満期には事件は家庭裁判所に送致されます。

 ですから,身柄の拘束やその延長を避けるためには,逮捕後の48時間+24時間の72時間が非常に重要な初動となります。この間に弁護士を依頼し,不必要な長期拘束を避ける必要があるのです。勾留が決定された後では,早期釈放は難しく,また,身柄拘束されたまま家裁送致となると,その後,観護措置がとられて少年鑑別所に収容される可能性が非常に高くなってしまいます。観護措置は通常1カ月間の収容を伴いますので(最長2カ月),身柄の拘束は非常に長くなります。
少年事件に詳しい弁護士に依頼することで不必要な長期拘束を避けることが可能となります。

少年事件の流れ

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家庭裁判所送致後の各種調査について

 刑事事件を起こしたすべての少年は,家庭裁判所に送られ,その処分に委ねられることになります(全件送致主義)。
 家庭裁判所に送致されてきた少年を調査するにあたり,本人の心身の安定が必要と判断され,専門家による資質等の調査の必要性が認められる場合には少年を少年鑑別所に収容する措置(最長2カ月)がとられます。
 少年鑑別所では,専門家(鑑別技官)による少年の心身状態の細かい分析が行われます。具体的には,少年に対して面接や各種心理検査を行い,知能や性格等の資質上の特徴,非行に至った原因,今後の立ち直りに向けた処遇上の指針等を明らかにしていきます。
 また,この間,家庭裁判所調査官による調査(資質や家庭環境など)も並行して行われます。
 家庭裁判所調査官は,送致された少年について,本人や関係者との面接などをはじめとする綿密な調査を行い,最適な保護処分を決定するうえでの資料を作成します。具体的には,調査官は,少年と面接を行い,少年に対して,家庭および保護者の関係,境遇,経歴,教育の程度および状況,不良化の経過,性行,事件の関係,心身の状況などの聞き取りを行います。また,家族及び関係者に対して,経歴,教育の程度,性行および遺伝関係等,少年のプライバシーに関わるような幅広い聞き取りを行っていきます。
 また,調査官は,調査を終了した段階で,少年の最終的な処分についての意見書を裁判官に提出します。裁判官はこれを重要視することから,保護処分決定における調査官の影響力はたいへん強いものになります。

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少年事件における付添人(弁護士)活動について

 弁護士は,付添人として少年事件の調査活動に関与します。弁護士は,少年に対する処分が過酷なものとならないように,家庭環境の整備や学校復帰に向けた環境整備などに関し,積極的に活動していきます。また,鑑別技官や調査官の処分に与える影響力は非常に大きいので,調査段階において,鑑別技官や調査官とコミュニケーションを取ります。弁護士は鑑別技官や調査官と頻繁に連絡を取り,家庭環境の現状等を報告し,彼らの心証形成に影響を与えていきます。特に,調査官は,裁判官に少年の処遇に関する意見書を提出するので,弁護士の意見を調査官にしっかりと伝えるため,調査官が意見書を裁判官に出す前に,弁護士が調査官に意見書を出すこともあります。

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弁護士による学校への復帰に向けた環境調整

 少年が何らかの事件で逮捕された場合,警察から少年が所属する学校に対して当該事件に関する連絡が行くことがあります。これは,警察・学校相互連絡制度によるものです。
 この制度によって,少年の事件が発覚した場合,それまで少年が所属していた学校は,事件の軽重にもよりますが,少年に対して退学などの重い処分を下す可能性が高くなります。
 そんな時に,弁護士は,学校側と交渉し,少年がそれまで所属していた学校に復帰できるように環境調整を行っていきます。具体的には,少年の事件の性質や家庭裁判所における最終的な処分の見通しなどを学校側に伝えることで,学校側の過剰な反応を抑制していきます。そして,弁護士は,校長や担任と面談し,少年を学校で積極的に受け入れるよう要請していきます。学校側の協力を求められる場合には,校長や担任に受け入れる旨の上申書を書いてもらうなどし,裁判所に提出することもあります。
 このようにして,弁護士は少年の社会復帰を学校という環境面からも支援していきます。

 もっとも,このような活動をしても,少年が退学処分を受けてしまうことがあります。そのような場合には,弁護士が少年のために新しい学校を探すことになります。基本的には,通信制の学校になることが多いとは思いますが,少年の性格等を考慮し,少年にあった学校で,転入できる可能性が高い学校を弁護士がアドバイスしていきます。最終的に転入する学校を決定して頂くのは保護者の方になりますが,学校を決める際の指針については,弁護士からも提示させていただきます。
通信制の学校については,学生一人一人のペースに合わせてくれたり,学校での日常を尊重した融通の効く教育システムを取ってくれたりするところも多く存在するため,事件後に少年が勉強を再開することが苦になりにくいです。また,登校する日数についても,週1日から週5日まで自由に選べる形態を取っている学校も多いので,少年の生活リズムに合わせた勉強環境を構築することができます。

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家庭裁判所裁判官による審判及び処分決定

 家庭裁判所の裁判官は,調査官の作成した資料などをもとに送致されてきた少年に最適な保護処分の検討を行い,必要と認められる場合に審判を開き,最終的な判断を下します。
 審判は1回のみで終わることもありますが,場合によっては中間審判というかたちにして1回の審判で結論を伝えず,2回目の審判まで本人あるいは保護者などの行状を見極める期間が設けられることがあります。
 なお,審判に至るまでの過程(調査段階)で少年本人が十分に反省していると認められたり,そもそも犯罪の事実がないと判明した場合などには,審判を行う必要がないという判断(審判不開始決定)が下されます。弁護士は,付添人として審判に立ち会います。裁判官,書記官,調査官,付添人,少年,少年の保護者が審判に出席します。ただ,家庭裁判所が求めれば,保護観察官,保護司,少年鑑別所の法務技官及び教官も出席することができますし,裁判長の許可があれば,保護者以外の少年の親族や少年の学校の教員なども出席することができます。

 審判手続の進行は,一般的には,裁判長において審判の開始を宣言した上,次の順序,内容で行われています。

①人定質問
②黙秘権の告知
③審判に付すべき事由の要旨の告知並びに少年及び付添人の陳述の聴取
④非行事実の審理
⑤少年の生活環境等の要保護性に関する事実の審理
⑥最終的な処分決定の告知
⑦決定の趣旨の説明および抗告できることの告知

 上記④,⑤では,一般的に裁判官が少年に対して質問する形で審理が進んで行きます。少年審判は,前述のとおり,少年が手続の内容をよく理解できるように,懇切を旨として行い,和やかな雰囲気の中で,少年や保護者等に信頼感を持たせるように行わなければならないとされていますから,刑事裁判に比べて,裁判官の少年に対する対応は柔らかいものとなります。
 また,裁判官からの質問が終わった後には,付添人と調査官からも質問が行われることが多く,少年に対して指導的な言葉が投げられることも多々あります。少年審判は,少年の非行事実を裁く場という意味だけでなく,少年に対して教育する場としての意味も有するため,このような審理方法がとられているのです。

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少年に対する保護処分と付添人活動

 審判において主として示される判断内容はおおよそ下記の4種類です。

①不処分

 家庭裁判所からは少年に対して何も課さないとするものです。
 付添人や調査官からの働きかけや,審判における裁判官からの説諭などによって,少年とその保護者などが自力で事件からの立ち直りを果たせると判断された場合などに下される決定です。

②保護観察処分

 主として在宅で少年の立ち直りを図る措置です。施設に収容するような強い制約を課さずとも更生の見込みが認められる場合に決定されます。
 保護観察に付された少年は,定められた期間中に専門家(保護観察官)と地元の篤志家(保護司)による監督・指導を受けながら自己の改善を果たすことを求められます。経過が良好な場合は予定より早く保護観察が終了することもある一方,悪い場合には改めて少年院への収容が検討されることになります。

③少年院送致

 事件が重大であり,少年を今の生活環境から一度離脱させて集中的な教育を施さなければ改善更生が難しい,と認められた場合に下される決定です。
 なお,少年院は法務教官という専門職を主体とした指導が行われる教育施設であり,「刑務所」ではありません。

④検察官逆送

 事件があまりに重大な場合に,少年が成人と同じ扱いを受けるべきと判断するものです。
 この判断が下されると,少年は検察官のもとに送られ成人と同様の刑事手続に服することになります。この判断は調査段階(審判が行われる前)に行われる場合もあります。

 上記のいずれの処分となるかは,付添人として審判に参加する弁護士の影響力も大きいです。弁護士は,審判において,付添人意見書という意見書を提出します。
 付添人意見書では,少年の非行事実を争わない事件であれば,主に少年の非行性が減退していることや少年の生活環境が非行時よりも改善されていることなどを主張していくことになります。

 以上,見てきたように,少年事件における弁護士(付添人)の活動は少年とその家族にとって非常に重要なものとなります。

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