ニュースに見る盗撮世相

電車で寝ている女性のスカート内盗撮 大阪の高3男子生徒を逮捕

今回は「電車内での盗撮」に関する記事をご紹介します。

【記事】

電車内で女性のスカート内をデジタルカメラで盗撮したとして、奈良県警西和署は18日、大阪府迷惑防止条例違反の疑いで、大阪府吹田市の高校3年の男子生徒(18)を現行犯逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は、同日午前6時40分ごろ、同府柏原市内のJR関西線の高井田-河内堅上駅間を走行中の普通電車で、2人掛け座席の隣に寝ていた奈良市のアルバイト従業員の女性(23)のスカート内をデジタルカメラで盗撮したとしている。女性が犯行に気付き、生徒を取り押さえた。
(msn産経ニュース2014.2.18 11:25)

【コメント】
この事件では,被害者である女性が犯人を逮捕しています。本来,逮捕のような捜査行為は,警察官や検察官など捜査機関の人しかできません(刑事事件訴訟法189条・191条)。ですが,現行犯,つまり,犯人が犯罪を行っている現場を見たなど,時間や場所の点でごく間近いときに,犯人が犯罪を行ったことが明らかである場合,捜査機関の人でなくても逮捕できます(同法212条1項・213条)。
捜査機関以外の人(私人)が逮捕した場合,すぐに捜査機関の人に犯人の身柄を引き渡さなければなりません(同法214条)。私人が現行犯逮捕して,警察官に引き渡すことなく拘束を続けたことについて,監禁罪の成立が認められた裁判例があります(東京高判昭55年10月7日刑裁月報12-10-1101)。警察に引き渡さずに「見逃してやるから100万円払え。」と言った場合は恐喝罪,被害者の女性との示談をあっせんして手数料を貰った場合は非弁活動として弁護士法違反にそれぞれなります。
現行犯であっても,起こした犯罪が30万円以下の罰金,拘留(1日以上30日未満で犯人の身柄を拘置所に留め置く刑罰),科料(千円以上一万円未満で金銭を支払う刑罰)の罪であって,犯人の氏名や住所が明らかである場合などには,逮捕することはできません(同法217条)。ですが,今回の盗撮事件では,大阪府迷惑防止条例は,盗撮犯につき,6か月以下の懲役か,50万円以下の罰金という刑を定めています(同条例6条3号,16条2号)。懲役は罰金よりも重い罪と扱われており,罰金の額も先ほどの217条の定めた罰金上限額よりも重いですので,今回の被害者は現行犯として犯人を逮捕できます。
なお,今回の犯人は18歳であって20歳未満ですので,少年法が適用されます(少年法2条1項)。
相手が「少年」とはいえ,18歳ですから,体格は大人です。被害者女性にとっては取り押さえるのに勇気がいると思います。そのような中勇気を出して犯人を逮捕した今回の被害者はいろんな意味で拍手を送りたいと思うと同時に,犯人の「少年」には被害者に与えた悔しさ,恥ずかしさなどいろんな悪影響を理解したうえで,猛反省していただきたいと思います。 

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