ニュースに見る盗撮世相

被害生む「盗撮シューズ」に当局が強い警戒感 異例の任意提出も

今回は「盗撮シューズ」に関する記事をご紹介します。

【記事】

被害生む「盗撮シューズ」に当局が強い警戒感 異例の任意提出も

当局による強い警戒が行われているにもかかわらず、一向に減る気配のない盗撮事件。近年は犯行に使用する機材も小型化・高性能化が進み、それらをインターネットの通販サイトなどで安価に入手できることから、当局も最近ではこうしたグッズに着目し、販売者・購入者に対する捜査を強化することで、事件の抑止に役立てようという動きが強まっている。
毎日新聞が報じたところによると、京都府警は、頻発する盗撮事件を受けて、靴にカメラを仕込んだ「盗撮シューズ」の購入者を個別訪問し、任意で靴を提出するよう求めていたことが発覚。靴の購入・所持自体は違法性がないため、こうした対応は異例だが、今年7月、神奈川県内のカメラ販売会社経営者(26)を惑行為防止条例違反(盗撮)ほう助容疑で逮捕するなど、徐々にこの「盗撮シューズ」を取り締まる機運は高まりつつあり、そうした一連の流れの中での対応とみられている。
なお、この「盗撮シューズ」に限らず、現在はある種の「スパイグッズ」として、ボールペンなどの文房具や、ライターやメガネといった小物類に小型カメラを仕込んだ製品が、通販サイトなどで販売されているが、いずれも数千円からせいぜい1万円程度で買えるものばかり。また、そうした機器を使用して撮影したと思しき盗撮映像・画像が、ネット上のコンテンツ販売サイトなどに相次いで提供されている事情から推察するに、これからはますますこうした取り締まりや規制が強化されそうな見通しだ。文・今岡憲広(AOLニュース9月19日(金)12時0分)

【コメント】
 「捜査については,その目的を達成するため必要な取調をすることができる」(刑事訴訟法197条1項本文)。この規定は,任意捜査の原則,捜査比例の原則を示したものです。任意捜査の原則とは,個人の権利への侵害の度合いが高いと認められるため裁判所の令状を要する「強制の処分」(刑事訴訟法197条1項但し書き)を除いては,広く犯罪の捜査を行うことができることを意味します。しかしながら,犯罪の種類や性質,悪質性も様々ですので,「目的を達成するため必要な」という限定を加えています。これが捜査比例の原則にあたります。
 このニュースの「盗撮シューズ」は,犯罪に使われるおそれが高いものといえます。普通に生活していて,靴の先から見える世界を録画する必要はありませんからね。しかしこれも個人の財産であることには違いなく,これを取り上げるためには差押え令状が必要になります(刑事訴訟法218条1項)。もっとも,このニュースのように,所持者が任意提出として協力する場合には,令状は不要です。差押えに令状を要求しているのは財物の所有権を保護することを目的としているからで,所有者が自分の判断で所有権を放棄することはこれにあたらないからです。
 盗撮の犯罪数が増加していることから,警察が先回りして犯罪の発生を予防しようとする動きが広がりそうです。一方で,明らかに犯罪目的のある商品に対する行政的な規制の在り方を検討する必要もあるでしょう。サバイバルナイフなどの商品と同様の発想が必要です。

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