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国際的な刑事事件の流れを弁護士が解説

外国国籍を有する方が逮捕されると、どうなるのでしょうか。自分に何らかの犯罪の嫌疑があるとされていること自体への不安も、もちろんあるでしょう。
さらにこれに加えて、言葉が通じない、出身国との文化や刑事手続きが違う、仕事のために日本に来ているのに日本から強制退去させられてしまうかもしれない…といった、外国国籍を有する方特有の不安を強く感じるかと思います。

本記事では、そのような場面に遭遇した場合に、どのような流れで各手続きが行われていくかということと、そのような方に対してNICDができることをご紹介いたします。

外国人の逮捕と刑事手続き

外国国籍を持つ者に対しても、日本国内における刑事手続きであれば、日本の刑事訴訟法の規定が適用されます。そのため、基本的には日本人が逮捕された場合と同様の手続きが行われます。

具体的には、逮捕の必要性と理由が認められるために、警察官による逮捕がされた場合、逮捕から48時間に検察官に送致手続きがとられ(刑訴203条1項)、これを受け取ってから検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をすることになります(同法205条1項)。最初の身体拘束から裁判官への勾留請求までは、72時間以内に行われる必要があります(同条2項)。つまり、この段階で最長で3日間身体拘束がされることになります。

勾留請求をした日から10日以内に検察官が公訴提起しない場合は、被疑者を直ちに釈放しなければなりません(同法208条)。もっとも、裁判官がやむを得ない事由があると認めるときは、上記期間からさらに10日勾留延長がされることがあります。つまり、勾留されると、最大で20日間身体拘束されることになります。

このように、合計23日間の身体拘束がされる可能性があり、この間は外部との連絡を自由に取ることができません。そのため、精神的・肉体的負担が大きいだけでなく、仕事等のために日本に滞在している場合は、その仕事を長期間にわたり欠勤することになってしまい、その後の生活に大きな影響を及ぼすことになります。

外国人の刑事弁護

刑事手続きは、日本人に対するものと同様であるため、基本的な弁護人の任務は、依頼者が日本人の場合と同じです。つまり、迅速な対応が要請されることになります。
これに加え、外国国籍を持つ方の刑事弁護においては、使用する言語や文化等が大きく異なるため、この点の十分な理解と配慮が必要不可欠です。そのため、いわゆる外国人事件の経験が豊富な弁護士に依頼することが重要です。

弁護士自身が被疑者・被告人の母語を話すことができない場合は、各種手続きにおいて出てくる専門用語も正確に訳せる、能力の高い通訳人を早急に手配する必要があります。また、身体拘束中に在留期間が経過しないか、経過する場合はどのような手続きを行うのか等に気を配り、対応しなくてはなりません。これらの点が、外国人事件特有の要請であり、依頼者が日本人の場合よりも困難であるといえます。

外国人の違法薬物事件

日本では、違法薬物について様々な処罰規定を置いていますが、ここではその一例を紹介していきます。海外では、犯罪組織からの薬物流入の防止や医療目的、経済効果への期待といった理由から、大麻が合法になっている国や地域もあります。それらの国々や地域と比較すると、大麻をはじめとする違法薬物について、日本は海外より厳格に取り締まっているといえます。そのため、日本における上記のような規制を知らずに、日本への留学や仕事のために長期滞在している方が、違法薬物に手を出してしまう場合があります。

薬物事件の場合、初犯であれば執行猶予付きの懲役刑再犯であれば執行猶予が取り消されて実刑となる可能性が高いです。有罪判決を受けると、在留期間中であるか否かに関わらず、入管法上は強制退去の対象となります。

ジアセチルモルヒネ・麻薬

ジアセチルモルヒネの輸出入又は製造をした場合は、一年以上の懲役(麻薬及び向精神薬取締法64条1項)、営利目的で上記を行った場合は、無期若しくは三年以上の懲役、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処せられます(同条2項)。また、譲渡・譲受・交付又は所持した場合は、十年以下の懲役(同法64条の2第1項)、営利目的で上記を行った場合は、1年以上の有期懲役、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処せられます(同条2項)。

ジアセチルモルヒネ以外の麻薬を輸入・輸出又は製造したり、麻薬原料植物を栽培した場合は、一年以上十年以下の懲役(同法65条1項1号、2号)、営利目的で上記を行うと、一年以上の有期懲役、又は情状により一年以上の有期懲役真予備五百万円以下の罰金に処されます。また、譲渡・譲受・交付又は所持した場合は、七年以下の懲役(同法66条)、営利目的を有していた場合には、一年以上十年以下の懲役、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百円以下の罰金に処されます。

覚醒剤取締法違反

覚醒剤の輸出入又は製造(覚醒剤取締法41条)や所持・譲渡又は譲受(同法41条の2)についても、ジアセチルモルヒネの輸出入や譲渡・譲受・所持といった行為への処罰と同様に規定されています。また、覚醒剤の使用の禁止(同法19条)や覚醒剤の目的外使用(同法20条2項)、中毒の緩和のための施用の禁止(同条3項)に反した場合には、十年以下の拘禁刑に処されます。
このように、期間の長短の違いはありますが、違反すると多くの場合は懲役刑に処せられることになるため、かなり厳格な取締りがされているといえます。

処分結果と在留資格、退去強制

入管法24条には、各号で退去強制事由が列挙されています。ここでは、入管法の規制に反して日本に入った者や、入国審査官の許可なく上陸した者虚偽の申告や記載により入国した者等、様々な事由が挙げられています。上記では薬物事件について紹介したため、ここでは主に薬物事件に関する規定について取り上げます。

24条次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続きにより、本邦からの退去を強制することができる。
4号チ …麻薬及び向精神薬取締法、大麻取調べ法、あへん法、覚醒剤取締法、国際的な協力の下に規制薬物にかかる不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律…又は刑法第二編第十四章の規定(=あへん煙に関する罪、136条-141条)に違反して有罪の判決を受けた者
4号リ ニからチまでに掲げる者のほか、…無期又は一年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者。ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び系の一部の執行猶予の言い渡しを受けた者であってその刑のうち執行が猶予されなかった部分が一年以下のものを除く。

このように、入管法24条4号チに列挙する違法薬物を取り締まる各法律に違反して、有罪判決が出た場合には、在留期間中であるか否かに関わらず、退去強制の対象となることがわかります。また、同号に規定する以外の脱法ドラッグについては、同号リただし書に該当しない場合に、退去強制の対象になります。

そのため、退去強制の対象となるか否かの判断の分かれ目は、取締の対象となる薬物の種類と、有罪判決を受けているかどうかという点にあるといえます。
つまり、逮捕・勾留や起訴の段階では、いまだ「有罪の判決を受けた者」にはあたらないため、これによって在留資格を失うことはありません。無罪判決が出た場合や保釈された場合も同様です。一方、実刑判決を受けた場合は、対象の薬物の種類に関わらず、退去強制の対象となります。

注意が必要なのは、執行猶予付きの判決が出た場合です。
大麻・あへん・覚醒剤等の事案の場合は、退去強制の対象
となります。なお、入管法24条4号チが規定する「有罪の判決を受けた者」や同号リに該当しなかったとしても、逮捕・勾留中や起訴後の裁判中に在留期間が経過すると、退去強制の対象となります(同法24条2号の4)。そのため、在留期間の確認・手続きに注意を払うことが必要です。

外国人の刑事事件においてNICDの強み

当事務所には、海外留学経験のある弁護士や、ニューヨーク州弁護士の資格を有する者が所属しています。そのため、外国語や外国文化に精通しており、外国人事件特有の要請である言語や文化の理解・配慮を十分にすることができます。

別途通訳を必要とする場合には通訳と弁護士の日程調整の関係で接見に頻繁に行くことが困難なこともあり、被疑者・被告人の不安がさらに高まることがあります。当事務所であれば、通訳を別途で手配する必要はないため、必要に応じて迅速かつ頻繁に接見に行くことが可能です。自らが置かれた状況や今後の流れに関する説明、取調べへのアドバイス等、迅速なサポートを提供できます。

さらに、外国人事件の経験も豊富なため、在留資格に関する手続きをはじめとする、様々なノウハウを有しております。全国各地に事務所を展開しているため、幅広い地域での事案にも対応可能です。外国国籍を有する方に対しても、迅速かつ柔軟な対応できる点が、NICDに依頼する大きなメリットと言えるでしょう。外国人犯罪に関わってしまった場合やすでに警察や検察の捜査を受けている場合には、一刻も早い対応が必要になります。

ご依頼の流れ

ご相談

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依頼~迅速な身柄解放活動 – 元検事による刑事弁護戦略

身柄を解放するため、様々な弁護活動を迅速に展開します。具体的には、ご家族に身柄引受書をご作成いただき、容疑を掛けられているご本人に対して被害者のいる事件では、被害者の方と接触しないことはもちろん、身体拘束から解放された後の生活を指導します。これらの内容を踏まえた意見書を作成・提出し、身体拘束から解放するように検察官・裁判官を説得、身柄解放を試みます。

当事務所の特徴

「4つ」の強み

当事務所は、「刑事事件に強い」法律事務所として、「4つの強み」を有しています。

  1. 元検事率いる実力派
  2. スピード感ある弁護活動
  3. 親身な相談・報告
  4. 高い解決実績や感謝の声

元検事率いる実力派弁護士チームが、ご依頼者様を強力弁護します。豊富なキャリアと実績に裏打ちされた「今後の見通し」を提案します。刑事事件はスピードが命。迅速な事件解決が当事務所の最大の目標です。即日接見によるスピード解決の実績も多数存在し、24時間365日ご相談を受け付けております。
ご依頼者様に沿った弁護を大切に対応します。ご依頼いただいた方は担当弁護士の携帯番号にいつでも連絡が可能です。親切丁寧な対応を心がけております。

まとめ

このように、外国国籍を有している場合であっても、刑事手続きの流れ自体は基本的には日本人に対するものと同様であることがお分かりいただけたかと思います。

当事務所は、在留資格に関する諸手続きや、言語・文化の違いへの配慮といった外国人事件特有の問題についても対応可能です。刑事事件は、迅速性が重要です。犯罪をしてしまった場合や、犯罪の嫌疑をかけられた場合には、ぜひお気軽に当事務所にご相談ください。

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当事務所は、刑事事件関連の法律相談を年間3000件ものペースで受け付けており、警察捜査の流れ、被疑者特定に至る過程、捜査手法、強制捜査着手のタイミング、あるいは起訴不起訴の判断基準や判断要素についても理解し、判決予測も可能です。

  • 逮捕されるのだろうか
  • いつ逮捕されるのだろうか
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上記のような悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

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