児童虐待被害でお悩みの方へ|児童虐待被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

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刑事弁護コラム 児童虐待被害でお悩みの方へ|児童虐待被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

児童虐待被害でお悩みの方へ|児童虐待被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

 「児童虐待」という言葉をニュース等で聞いたことのある方は多いと思います。政府も児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を施行し,その更なる徹底・強化を目指しています。
 また,2020年に入り,全国の児童相談所で対応した虐待相談件数は,1月~3月の間に1~2割増加したことが厚生労働省の調査で判明しています。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や休校の影響などにより虐待のリスクが高まる懸念も指摘されています。
 そもそも,児童虐待とはどのような行為を指すのでしょうか。 

児童虐待とは

 児童虐待の定義は,児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)第2条にあります。児童とは18歳未満の者をいい,虐待とは,以下に詳しく述べるような暴力,暴言等による児童に対する人権侵害行為をいいます。具体的にどのような種類があるか見ていきましょう。

児童虐待の定義・種類・基準

児童虐待の定義

 児童虐待とは,保護者(親権を行う者,未成年後見人その他の者で,児童を現に監護するもの)がその監護する児童に対し,以下に述べるような暴力や暴言等を行うことをいいます。

児童虐待の種類

 児童虐待の種類は,法に4つ規定されています。

  • 身体的虐待: 児童の身体に外傷を生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えること(第2条第1項第1号)
  • 性的虐待: 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をすること(第2号)
  • ネグレクト: 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置…その他保護者としての監督を著しく怠ること(第3号)
  • 心理的虐待: 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応,児童が同居する過程における配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(第4号)

 身体的虐待の例としては,殴る蹴る,物を投げつける,水風呂に沈める,熱湯をかける,刃物で切り付ける,逆さ吊りにする,厳冬期に戸外へ締め出す,などがあります。子どもは怪我を負うことが多く,時には死に至る場合があります。子どもが怪我をすることで周囲に発覚しやすいといえますが,衣服で隠れる部位への身体的虐待の場合には,傷などが見えにくく,発覚が遅れる場合があります。
 性的虐待の例としては,子どもに対する性交や性的な行為の強要,子どもに性器を見せるなどがあります。そもそも被害を受けている自覚が子どもに乏しかったり,「人に話したら酷い目に合わせる」などと脅され口止めをされるなどの場合もあるため,性的虐待発見のためには,声を上げられない子どもに代わって周囲の人間が勇気を出して声を上げることが非常に重要となります。
 ネグレクトの例としては,食事を十分に与えない,衣服を着替えさせない,子を家や自動車の中に長時間放置し外出するなどがあります。自分で周囲に助けを求めることのできない乳幼児が被害を受けやすく,時には死に至る場合があります。
 心理的虐待の例としては,大声で怒鳴り続けたり,人格を否定する暴言を吐いたりすることなどがあります。このような心理的虐待は,子どもの自尊心を傷付けたり,PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症させる場合があり,子どもの心を死なせる虐待とも言えるでしょう。
 これらの虐待行為は,それぞれ単独で発生することもあれば,複合して発生する場合もあります。
 例えば,「お前なんか死んでしまえ」などと言われながら殴られた場合には,心理的虐待行為(暴言)+身体的虐待,「母親に話したら殺す」などと言いながら性交を強要された場合には心理的虐待行為(暴言)+性的虐待と考えられます。

児童虐待の基準(「しつけ」との区別)

 では,虐待としつけの違いは何でしょう。特に心理的虐待の定義における「著しい」が法文上明確な基準を示している訳ではないため不明確とも思えるかもしれません。
 これについては,虐待行為が子どもの人権を侵害したり,子どもの尊厳や生きる気力を損なう行為であることから,客観的に子どもが耐え難い苦痛を感じるような言動であれば,「著しい心理的外傷を与える言動」といえ,心理的虐待に該当する可能性があると言えるでしょう。
 なお,「体罰」については,2019年の改正児童虐待防止法及び改正児童福祉法により禁止されました。同法は2020年4月に施行されています。
 したがって,「しつけ」を名目にしたとしても,体罰は親であっても許されません。なお,親以外の者による体罰は法改正以前から当然に許されない行為です。

児童虐待に関する法令について

児童福祉法

 子どもの福祉を守る法律として日本で最初に制定された法律です。
 18歳未満の者である「児童」に対する虐待につき,通告の義務(第25条),一時保護(第33条),家庭裁判所への申立て(第28条)などにより,子どもの保護を図っています。

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)

 1990年代以降,児童虐待が社会的問題となったことなどを受けて,2000年に成立したのがこの児童虐待防止法です。この法令により,「虐待」の行為が上記の4種類に定義されました。 
 また,虐待の主体を「保護者」と定めました(第2条)。「保護者」とは,親権を行うもの,未成年後見人その他の者で,児童を現に監護するもの」とされています。この定義により,実の父母だけでなく,義親や児童養護施設の施設長なども「保護者」に含まれることが明らかになりました。

児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律

 児童に対する性的な搾取や,児童の心身に有害な影響を与える行為を規制する法律です。
 対償を供与して児童と性交等をする児童買春については5年以下の懲役又は300万円以下の罰金(第5条),自己の性的好奇心を満たす目的で児童の性交等の写真・映像や,児童の裸体等でその性的な部位が露出されているような写真や映像(「児童ポルノ」(第2条第3項)の所持については1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(第7条第1項)などが規定されています。

刑法

 刑事罰を定める基本法です。児童が被害者となりうる犯罪としては以下の例があります。

  • 強制わいせつ罪(第176条,6月以上10年以下の懲役
  • 強制性交等罪: 第177条,5年以上の懲役
  • 傷害罪: 第204条,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  • 暴行罪: 第208条,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
  • 保護責任者遺棄罪: 第218条,3月以上5年以下の懲役
  • 逮捕及び監禁罪: 第220条,3月以上7年以下の懲役
  • 脅迫罪: 第222条,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
  • 強要罪: 第223条,3年以下の懲役

児童虐待被害の相談窓口・支援センター

児童相談所虐待防止対応ダイヤル(189)

 児童相談所の設置する虐待電話相談窓口です。発信地等の情報から最寄りの児童相談所に繋がり,通話料無料にて相談(通報)することができます。通報は匿名で行うことも可能です。

各都道府県設置の子ども虐待ホットライン

 地域により24時間フリーダイヤルの相談窓口を設けている場合があります。
 その他にも各市町村や各福祉保健センター,民間団体等の設置する相談窓口があります。
 なお,緊急を要する場合には,ためらわず110番通報をすることも忘れてはなりません。

児童虐待被害のご相談は弁護士へ

 児童虐待は,この国の将来を担う児童の人権を侵害し,時に命をもおびやかしかねない行為であり,これに対応するのに一刻を争う場合があります。弁護士に依頼することで,虐待をする者から物理的に避難するだけでなく,必要な法的保護や法的措置を講じ,児童の命や生活を守ることができます。
 児童自身,あるいはその周囲の人が,児童が今まさに虐待されている,あるいは虐待されているかもしれないと考えた場合や,児童だけでなく自分も同居人から暴力を振るわれているなどの場合には,勇気を持ってまずは弁護士へご相談ください。

児童虐待被害で弁護士ができること

 虐待されている子どもの味方として,弁護士は以下の弁護活動等をすることができます。もっとも,未成年の方は,行為能力に制限があるので,親等の同意がなければ本来弁護士と契約をすることができませんが,子どものための法律援助制度(日本弁護士連合会による委託援助事業の一つ)を用いることにより,弁護士が直接に子どもの代理人となることができます。

  • 児童相談所,児童養護施設等の施設との交渉の代理
  • 子どもシェルター等への入所の支援,自立的生活に向けた支援
  • 虐待等を行う親との交渉の代理,親との関係調整活動
  • 刑事告訴の代理,証人出廷する子どもの支援,刑事裁判における被害者参加制度の利用による被害者意見の陳述等
  • 虐待する親に対する親権喪失手続,養親に対する離縁等を求める調停や審判等の代理

児童虐待被害でお悩みの方へ弁護士からメッセージ

 児童虐待は,本来子どもにとり耐え難い苦痛であり,その尊厳を損なう人権侵害行為です。
 「殴られるのは自分が悪いからだ」などの暴言を吐かれている場合には,その支配から逃れる気力が損なわれているケースさえあります。
 少しでも「虐待かも」と思ったら,迷わず相談ください。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。今回は,児童虐待をめぐる法令や弁護士としての役割などを説明いたしました。あなたの人権はどのような場合であっても尊重されなければなりません。どうぞ一人で悩まず,勇気を出して弁護士にご相談ください。

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