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刑事判例紹介(101) – 形式裁判の内容的確定力により再起訴することはできないのではないかが争われた事案

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(101) – 形式裁判の内容的確定力により再起訴することはできないのではないかが争われた事案

事案

 被告人は戸籍上死亡したことにして刑の執行を免れようと企て,虚偽の死亡診断書を作成し,戸籍に不実の記載をさせるなどした。裁判所は死亡を理由に公訴棄却の決定をし,この決定は確定したが,偽装死亡の事実が発覚し起訴された。

判旨(大阪地裁昭和49年判決)

 公訴棄却の決定はいわゆる形式裁判であるから,その裁判が確定しても再起訴は原則として妨げられないと解すべきであり,これは,刑事訴訟法340条が例外的に,公訴取消による公訴棄却決定が確定したときに再起訴が妨げられる旨規定していることに照らしても明らかである。このことは,被告人死亡を理由とする公訴棄却決定が確定しているときも同様であり,まして,被告人死亡の事実認定が内容虚偽の証拠に基づくものであったことが,新たに発見された証拠によって明白になったような場合にまで,なおも,この公訴棄却決定の示した判断が拘束性を保有して,後の再起訴を妨げるものとは,とうてい解することはできない。

コメント

 形式裁判は具体的事情の下で特定の申立て要件が欠如するという判断であるため,事実が変われば前訴の判断の確定力は及びません。本件では,公訴棄却決定が内容虚偽の証拠に基づくものであり,それが新たに発見された証拠によって明白になったため,上記決定の内容的確定力は及ばないとされました。

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