刑事判例紹介(45)|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

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刑事弁護コラム

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事案

 被告人は,覚せい剤使用の罪により起訴された。公訴事実が「被告人は,法定の除外事由がないのに,昭和54年9月26日ころから同年10月3日までの間,広島県a群b町内及びその周辺において,…覚せい剤を使用したものである」という幅のある記載であったため,被告人は公訴事実の特定を欠くとして争った。

判旨(最高裁昭和56年決定)

 本件公訴事実の記載は,日時,場所の表示にある程度の幅があり,かつ,使用量,使用方法の表示において起訴当時の証拠に基づきできる限り特定したものである以上,覚せい剤使用罪の訴因の特定に欠けるところはないというべきである。

コメント

 刑訴法256条3項後段は,「訴因を明示するには,できる限り日時,場所及び方法を以って罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない」と定めています。仮に起訴状の訴因の記載が同条の要請を満たすほど特定されたものでないときは,公訴棄却判決がなされます(338条4号)。本件は,覚せい剤使用事犯であるところ,覚せい剤使用については,使用状況を明らかにする目撃者や客観的証拠がないことが多く,そのため,被告人が覚せい剤使用状況について具体的に供述しない限り,いつ,どこで,どのように使用したかは明らかにならないことが多々あります。そこで,本件決定では,起訴状において日時場所等を特定できないこともやむを得ないと判断されました。

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