刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(66) – 同種前科により事実認定をすることができるか争われた事案

事案

 被告人は生活費に窮し,社会福祉のために募金をしようとしているように装って寄付金を集めて生活費に充当しようと企て,被害者に福祉事業に使用されるものと誤信させうえ,金員を騙し取ったとして,起訴された。裁判所は,被告人の故意を認定するために,同種詐欺事件を証拠としたが,弁護側は被告人が行った他の犯罪事実を証拠とすることは違法であるとして争った。

判旨(最高裁昭和40年判決)

 犯罪の客観的要素が他の証拠によって認められる本件事案の下において,被告人の詐欺の故意の如き犯罪の主観的要素を,被告人の同種前科の内容によって認定した原判決に所論の違法は認められない。

コメント

 被告人の悪性格を立証することは,裁判所が不当な偏見を抱くおそれがあり,法律的関連性を欠くものとして,証拠能力が否定されます。本件でも,同種前科を証拠として立証することは,被告人の犯人性の立証にあたるのではないかという点が争われました。しかし,本決定では,主観的要件の立証のために類似行為の立証を行うことは違法ではないと判断しました。本決定が立証を許容する実質的根拠は明らかではありませんが,本件行為時に被告人が違法な行為であると認識していたことを推認するものとして証拠能力を認めたものであるという考え方や,被害者が福祉事業のために募金を使うと誤信していることを被告人が認識していたことを推認するもとして証拠能力を認めたとする考え方があります。

Pocket

「刑事事件」に関する取扱い分野

暴行事件の逮捕・示談に強い弁護士

 日常生活で起こりうる,以下のようなトラブルを見てみましょう。 彼女と口喧嘩をしていて,つい手が出てしまった,殴ってしまった けんかになって相 ...

弁護士によるセカンドオピニオン

弁護士のセカンドオピニオンとは何か  セカンドオピニオンとは,ある専門家に相談または依頼している案件について,別の専門家に意見を聞くことをいいます。 ...

民事事件

民事事件でお困りの方々のアドバイザーとしてお力になります  当事務所の弁護士は,離婚や相続といった民事事件に関しても豊富な経験と知見があります。 ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 上野 達夫

 弁護士上野達夫は東京大学経済学部を卒業し,司法修習修了後,大手国際総合事務所を経て,ニューヨーク大学ロースクールに留学し,ニューヨーク州の司法試験に ...

弁護士 高田 早紀

ご挨拶  弁護士の高田早紀と申します。私の紹介ページをご覧いただき,誠にありがとうございます。  依頼者の方に寄り添い,少しでも刑事手続に対する不 ...

弁護士 岩澤 祐未

ご挨拶  ご覧いただきありがとうございます。  「ある日突然,刑事事件や民事事件に巻き込まれたあなたには,安心して話をできる場所がありますか。」無 ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

最新判例 平成27年10月16日

最新判例 平成27年10月16日 事案  被告人が傷害罪に問われた事案。被告人は略式手続の規定が憲法に違反すると主張して上告した 判旨(最決 平成 ...

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

mail tel