刑事判例紹介(69) – 筆跡鑑定に証拠能力が認められるかが争われた事案|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

刑事判例紹介(69) – 筆跡鑑定に証拠能力が認められるかが争われた事案

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(69) – 筆跡鑑定に証拠能力が認められるかが争われた事案

事案

 被告人は,脅迫容疑で起訴された。筆跡鑑定人が,被告人の筆跡と脅迫ハガキの筆跡を同筆と鑑定したのに対して,被告人側は伝統的筆跡鑑定による鑑定には証拠能力が認められないとして筆跡鑑定の証拠能力を争った。

判旨(最高裁昭和41年判決)

 いわゆる伝統的筆跡鑑定方法は,多分に鑑定人の経験と感(勘)に頼るところがあり,ことの性質上,その証明力には自ら限界があるとしても,そのことから直ちに,この鑑定方法が非科学的で,不合理であるということはできないのであって,筆跡鑑定におけるこれまでの経験の集積と,その経験によって裏付けられた判断は,鑑定人の単なる主観にすぎないもの,とはいえないことはもちろんである。したがって,事実審裁判所の自由心証によって,これを罪証に供すると否とは,その専権に属する事柄であるといわなければならない。

コメント

 筆跡鑑定は,点や線の形や組み合わせ,筆順,筆圧,筆勢,配字状況等の検査により,比較対照する筆跡の同一性を識別するものです。本判決では,伝統的筆跡鑑定方法が鑑定人の経験と勘に頼ることがあるとしながらも,方法の合理性・客観性があり,識別の正確性が経験的に高められていれば,証拠能力を肯定すると判断しました。

Pocket

「刑事事件」に関する取扱い分野

暴行事件の逮捕・示談に強い弁護士

 日常生活で起こりうる,以下のようなトラブルを見てみましょう。 彼女と口喧嘩をしていて,つい手が出てしまった,殴ってしまった けんかになって相 ...

弁護士によるセカンドオピニオン

弁護士のセカンドオピニオンとは何か  セカンドオピニオンとは,ある専門家に相談または依頼している案件について,別の専門家に意見を聞くことをいいます。 ...

民事事件

民事事件でお困りの方々のアドバイザーとしてお力になります  当事務所の弁護士は,離婚や相続といった民事事件に関しても豊富な経験と知見があります。 ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 岩澤 祐未

ご挨拶  ご覧いただきありがとうございます。  「ある日突然,刑事事件や民事事件に巻き込まれたあなたには,安心して話をできる場所がありますか。」無 ...

弁護士 遠藤 かえで

ご挨拶  「容疑者」,「逮捕」,「家宅捜索」,…日々,皆さんが何気なく目や耳にするニュースの中に,刑事事件に関する言葉は溢れています。他方,そのよう ...

弁護士 上野 達夫

 弁護士上野達夫は東京大学経済学部を卒業し,司法修習修了後,大手国際総合事務所を経て,ニューヨーク大学ロースクールに留学し,ニューヨーク州の司法試験に ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

控訴の要件|控訴要件を弁護士が解説

控訴の要件|控訴要件を弁護士が解説  控訴は原判決の誤りに対する不服申立手続ですから,原判決に誤りがあること,すなわち控訴理由を主張しなければなりま ...

刑事判例紹介(96)

刑事判例紹介(96) 事案  警察官は逮捕状を携行せずにAを窃盗の被疑事実で逮捕したが,捜査報告書には,本件逮捕状を提示して逮捕した旨の記載がなされ ...

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

mail tel