刑事判例紹介(74)|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

刑事判例紹介(74)

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(74)

事案

 被告人Aと共犯関係にあるBの弁護人Yは,事件担当検事からAが素直に自供すれば起訴猶予も十分考えられる旨の内意を打ち明けられた。そこで,YはAの弁護人であるXを伴ってAに検事の言葉を伝えたところ,AはYの言葉を信じて起訴猶予になると期待して自白したが,起訴された。

判旨(最高裁昭和41年判決)

 被疑者が,起訴不起訴の決定権をもつ検察官の,自白をすれば起訴猶予にする旨のことばを信じ,起訴猶予になることを期待してした自白は,任意性に疑いがあるものとして,証拠能力を欠くものと解するのが相当である。

コメント

 「任意にされたものでない疑いのある自白」(刑訴法319条1項)には,証拠能力が認められません(自白法則)。これは,約束や偽計などが供述者の心理に影響を与え,類型的に虚偽自白誘発のおそれがあるからです。本件の約束自白についてみると,約束の主体である検事には起訴猶予の権限があり,また,起訴猶予というのは被疑者にとって最重要の利益であるといえます。そのため,被疑者は起訴猶予という大きな利益を得るために自白しようという心理状態に陥っており,類型的にみて虚偽の自白が誘発されるおそれがあったといえます。

Pocket

公開日: 更新日:

「刑事事件」に関する取扱い分野

自首と出頭に強い弁護士

自首と出頭に強い弁護士  「自首」とは,被疑者が誰であるか分からない段階で,自分が被疑者であると名乗り出ることであり,刑法で任意的に減軽されることが ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 宮本 萌

ご挨拶  こんにちは。弁護士の宮本萌と申します。  世の中には沢山の法律が存在します。このくらい大丈夫だろう,と思ってした行為が罪に問われ,逮捕さ ...

弁護士 遠藤 かえで

ご挨拶  「容疑者」,「逮捕」,「家宅捜索」,…日々,皆さんが何気なく目や耳にするニュースの中に,刑事事件に関する言葉は溢れています。他方,そのよう ...

弁護士 山口 亮輔

ご挨拶  千葉事務所長の山口亮輔と申します。  私は首都圏の刑事事件,民事事件,少年事件などの法律問題に加えて,子ども担当弁護士(コタン),障がい ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績