刑事判例紹介(84)|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

刑事判例紹介(84)

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(84)

事案

 Yに対して証人尋問を施行しようとしたものの,黙秘を続けたため,翻意をすることがないと判断し,尋問不能としてその施行を中止した。そこで,検察官はYの検察官に対する供述調書について刑訴法321条1項2号前段の書面として証拠請求し,裁判所は証拠として採用した。

判旨(東京高裁昭和63年判決)

 刑訴法321条1項2号前段に「供述者の死亡…国外にいるため」というのは証人として尋問することができない事由を例示したもので,右の供述不能の事由が供述者の意思にかかわらない場合に限定すべきいわれはなく,現にやむを得ない事由があって,その供述者を裁判所において尋問が妨げられる場合には,これがために被告人に反対尋問の機会を与え得ないとしてもなおその供述者の検面調書に証拠能力が付与されるものと解され,事実上の証言拒否にあっても,その供述拒否の決意が堅く,翻意して尋問に応ずることはないものと判断される場合には,当該の供述拒否が立証者側の証人との通謀或いは証人に対する教唆等により作為的に行われたことを疑わせる事情がない以上,証拠能力を付与するに妨げないというべきである。

コメント

 本判決は,刑訴法321条1項2号前段が例示列挙であるという最高裁の判例を踏襲し,判示のとおり供述不能の要件はこれを満たすとしたものです。また,「当該の供述拒否が…証拠能力を付与するに妨げない」としている判旨部分は,おそらく刑訴法321条1項2号の要件論とは別に,手続的正義に反する過程を経て獲得,入手された証拠一般の問題としてとらえられると思われます。

Pocket

「刑事事件」に関する取扱い分野

暴行事件の逮捕・示談に強い弁護士

 日常生活で起こりうる,以下のようなトラブルを見てみましょう。 彼女と口喧嘩をしていて,つい手が出てしまった,殴ってしまった けんかになって相 ...

弁護士によるセカンドオピニオン

弁護士のセカンドオピニオンとは何か  セカンドオピニオンとは,ある専門家に相談または依頼している案件について,別の専門家に意見を聞くことをいいます。 ...

民事事件

民事事件でお困りの方々のアドバイザーとしてお力になります  当事務所の弁護士は,離婚や相続といった民事事件に関しても豊富な経験と知見があります。 ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 岩澤 祐未

ご挨拶  ご覧いただきありがとうございます。  「ある日突然,刑事事件や民事事件に巻き込まれたあなたには,安心して話をできる場所がありますか。」無 ...

弁護士 高田 早紀

ご挨拶  弁護士の高田早紀と申します。私の紹介ページをご覧いただき,誠にありがとうございます。  依頼者の方に寄り添い,少しでも刑事手続に対する不 ...

弁護士 坂本 一誠

ご挨拶  私は,これまで100件以上の刑事事件に携わり,痴漢や盗撮,万引きといった皆様の日常で発生することのある事件,組織的な特殊詐欺事件,強盗致傷 ...

弁護士 岩崎 哲也

ご挨拶  法律問題でお悩みの皆様,ご心労いかばかりかとお察し申し上げます。  こんにちは,弁護士の岩崎哲也と申します。世に活躍しているたくさんの弁 ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「受け子」とはなんですか。

「受け子」とはなんですか。  特殊詐欺における「受け子」とは,法令上の言葉ではありませんが,犯罪用語の一つであり,被害者から直接に現金やカード等を受 ...

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

ロゴについて

ロゴについて  NICDロゴマーク中央のシンボルは,中村国際刑事法律事務所の欧文表記である「NAKAMURA INTERNATIONAL CRIMI ...

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

mail tel