刑事判例紹介(90)|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

刑事判例紹介(90)

刑事弁護コラム

刑事判例紹介(90)

事案

 現住建造物等放火被告事件の公判において,火災のあった付近の住民が,そのときの被告人の行動について証言したところ,弁護人が,刑訴法328条に基づき,消防指令補が上記証人から公判供述とは実質的に異なった内容の真実を聞き取ったことが記載された「聞込み状況書」を証拠調べ請求した。328条の供述が自己矛盾供述に限られるかが争われた事案。

判旨(最高裁平成18年判決)

 刑訴法328条により許容される証拠は,信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が,同人の供述書,供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る),同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られるというべきである。

コメント

 本判決は,328条の趣旨が,矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより,公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容するものとし,328条の供述は自己矛盾供述に限られるという,いわゆる限定説を明言しました。
 なお,本件で争われた聞込み状況書は証人の供述を録取しているため自己矛盾供述になるとも思われますが,同証人の供述の内容の真実性が問題となるため,別途伝聞例外の要件を満たす必要があります。しかし,本件では,同証人の署名押印がなく,またこれと同視しうる特段の事情もないため,伝聞例外の要件を満たしません。それゆえ,本判決は328条が許容する証拠にはあたらないとしました。

Pocket

「刑事事件」に関する取扱い分野

暴行事件の逮捕・示談に強い弁護士

 日常生活で起こりうる,以下のようなトラブルを見てみましょう。 彼女と口喧嘩をしていて,つい手が出てしまった,殴ってしまった けんかになって相 ...

弁護士によるセカンドオピニオン

弁護士のセカンドオピニオンとは何か  セカンドオピニオンとは,ある専門家に相談または依頼している案件について,別の専門家に意見を聞くことをいいます。 ...

民事事件

民事事件でお困りの方々のアドバイザーとしてお力になります  当事務所の弁護士は,離婚や相続といった民事事件に関しても豊富な経験と知見があります。 ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 坂本 一誠

ご挨拶  私は,これまで100件以上の刑事事件に携わり,痴漢や盗撮,万引きといった皆様の日常で発生することのある事件,組織的な特殊詐欺事件,強盗致傷 ...

弁護士 遠藤 かえで

ご挨拶  「容疑者」,「逮捕」,「家宅捜索」,…日々,皆さんが何気なく目や耳にするニュースの中に,刑事事件に関する言葉は溢れています。他方,そのよう ...

弁護士 岩崎 哲也

ご挨拶  法律問題でお悩みの皆様,ご心労いかばかりかとお察し申し上げます。  こんにちは,弁護士の岩崎哲也と申します。世に活躍しているたくさんの弁 ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

盗撮ハンターとはなんですか。

盗撮ハンターとはなんですか。  盗撮ハンターとは,盗撮行為をしている人を狙い,真実でないのに「被害女性の夫(彼氏,知り合い)である」等の虚偽や「警察 ...

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

刑事判例紹介(4)

刑事判例紹介(4) 事案  凶器を所持した銀行強盗事件が発生し,犯人としての嫌疑が濃厚な被告人らに対して,職務質問をなすとともに,携行品の開披を再三 ...

刑事判例紹介(14)

刑事判例紹介(14) 事案  比較的閑散な道路における交通取締りにおいて,原告は,警報機が鳴っているのに踏切に進入したとして道路交通法33条2項違反 ...

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績

mail tel