刑訴一部改訂解説(6) – 自白事件の簡易迅速な処理のための措置|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

刑訴一部改訂解説(6) – 自白事件の簡易迅速な処理のための措置

刑事弁護コラム

刑訴一部改訂解説(6) – 自白事件の簡易迅速な処理のための措置

概要及び解説

 今回の刑事訴訟法の改正によって,自白事件の簡易迅速な処理のための措置がとられました。
 刑事事件における裁判手続に,即決裁判手続というものがあります。
 これは,検察官が事案は軽微なものか,被疑者は自白しているのか否認しているのかなどを総合的に考えて,通常よりも簡略化した手続きで判決を求めることが適切であると判断した場合に,それを裁判所に申立てる手続のことをいいます。
 即決裁判手続が採られた事件は,懲役・禁錮を科す場合には必ず執行猶予が付されたり,短期間で判決が出されることから,被告人の負担が少なくなるというメリットがある制度です。
 従前は,検察官の公訴取消等により,即決裁判手続の決定が取り消された場合に,もう一度起訴して,刑事手続に乗せるためには,新たに重要な証拠が発見されることが必要になるとされてきました(刑訴法第340条)。一方,検察官が不起訴処分にした後にもう一度起訴する場合(再起訴),そのような重要証拠の発見という厳格な要件は特にありません。即決裁判手続の決定取消は,不起訴処分とは訴訟行為の性質が異なりますが,正式裁判手続ほど正式性の強いものではないことから上記要件を外し,再起訴を容易にしたのが,今回の改正となります。もっとも,一事不再理の適用はないにせよ,再起訴は被告人の立場を不安定なものとさせるので,慎重な運用が必要でしょう。

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