最新判例 平成27年5月18日|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

最新判例 平成27年5月18日

刑事弁護コラム

最新判例 平成27年5月18日

事案

 Aに対する公務執行妨害,傷害被告事件において,Aが裁判官入廷前に手錠及び腰縄を外すことなどを求めて公判期日への不出頭を繰り返していた。国選弁護人である申立人らも,Aに同調して公判期日に出頭せず,刑事訴訟法(以下,刑訴法とする。)278条の2第1項に基づく出頭在廷命令にも応じなかったことから,原々審が申立人に対して同条の2第3項による過料の決定をした。この決定に対して,申立人らから即時抗告の申立てがなされたが棄却されたため,さらに特別抗告が申し立てられた事案。

判旨(最判 平成27年5月18日)

 特別抗告棄却。刑訴法278条の2第1項による公判期日等への出頭在廷命令に正当な理由なく従わなかった弁護人に対する過料の制裁を定めた同条の2第3項は,訴訟指揮の実効性担保のための手段として合理性,必要性があるといえ,弁護士法上の懲戒制度が既に存在していることを踏まえても,憲法31条,37条3項に違反するものではない

コメント

 本件は,刑訴法278条の2第3項による弁護人に対する過料の制裁が,国家権力に介入されない弁護権を行使する弁護人の弁護を受ける被告人の権利を侵害するとして憲法31条,37条3項に違反しないか,また,過料の制度が弁護士自治を脅かすのではないか争われた事案です。そもそも,過料の制度は当事者が理由なく出頭しなかったり,退廷するようなことが生じた場合に,訴訟指揮の実効性を担保しようとする制度です。つまり,訴訟手続上の秩序違反行為に対する秩序罰であり,弁護士会の懲戒制度とは目的や性質が異なります。したがって,弁護士法上に懲戒制度があっても,過料制度の必要性や合理性はあり,憲法違反にはなりません。さらに,この過料決定がなされたからといって,弁護士会に懲戒措置をとることが義務付けられるわけでもないため,特に弁護士自治を脅かすものとまではいえないでしょう。

Pocket

公開日: 更新日:

「刑事事件」に関する取扱い分野

自首と出頭に強い弁護士

自首と出頭に強い弁護士  「自首」とは,被疑者が誰であるか分からない段階で,自分が被疑者であると名乗り出ることであり,刑法で任意的に減軽されることが ...

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

弁護士 宮本 萌

ご挨拶  こんにちは。弁護士の宮本萌と申します。  世の中には沢山の法律が存在します。このくらい大丈夫だろう,と思ってした行為が罪に問われ,逮捕さ ...

弁護士 高田 早紀

ご挨拶  弁護士の高田早紀と申します。私の紹介ページをご覧いただき,誠にありがとうございます。  依頼者の方に寄り添い,少しでも刑事手続に対する不 ...

弁護士 山口 亮輔

ご挨拶  千葉事務所長の山口亮輔と申します。  私は首都圏の刑事事件,民事事件,少年事件などの法律問題に加えて,子ども担当弁護士(コタン),障がい ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績