最新判例 平成28年3月8日|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

最新判例 平成28年3月8日

刑事弁護コラム

最新判例 平成28年3月8日

事案

 被告人が民家に侵入し,金品を奪取するとともに,家人をナイフで殺害した事案。第1審,原審が死刑としたところ,死刑制度が憲法31条,36条に反するとして上告。

判旨(最判 平成28年3月8日)

 死刑制度が憲法31条,36条に違反しないことは最高裁判所の判例(最判昭和23年3月12日刑集2巻3号191頁,最判昭和30年4月6日刑集9巻4号663頁,最判昭和36年7月19日刑集15巻7号1106頁)とするところであり,憲法違反の主張には理由がない。

コメント

 従来,死刑制度が適正手続に関する憲法31条,残虐な刑罰を禁ずる憲法36条に違反するか否かについて議論がされてきました(上記三判例参照)。
 上記昭和23年判決は,憲法31条との関係では,「憲法は現代多數の文化国家におけるのと同様に,刑罰として死刑の存置を想定し,これを是認したものと解すべきである」とし,また,憲法36条との関係では,「刑罰としての死刑そのものが,一般に直ちに同條にいわゆる残虐な刑罰に該當するとは考えられない」として,死刑制度が憲法に違反しないことを認めており,本判決もこの立場を維持するものであると評価できます。

Pocket

公開日: 更新日:

「刑事事件」に関する取扱い分野

「刑事事件」事案の経験豊富な弁護士はこちら

オブカウンセル 上野 達夫

 弁護士上野達夫は東京大学経済学部を卒業し,司法修習修了後,大手の総合法律事務所を経て,ニューヨーク大学ロースクールに留学し,ニューヨーク州の司法試験 ...

パートナー 坂本 一誠

ご挨拶  私は,これまで100件以上の刑事事件に携わり,痴漢や盗撮,万引きといった皆様の日常で発生することのある事件,組織的な特殊詐欺事件,強盗致傷 ...

弁護士 遠藤 かえで

ご挨拶  「容疑者」,「逮捕」,「家宅捜索」,…日々,皆さんが何気なく目や耳にするニュースの中に,刑事事件に関する言葉は溢れています。他方,そのよう ...

パートナー 柏本 英生

ご挨拶  このページをご覧いただいている方の中には,今,人生に一度あるかないかの大変な状況にいらっしゃる方も多いと思います。これからなにが起こるのか ...

「刑事事件」に関する刑事事件Q&A

「刑事事件」に関する刑事弁護コラム

「刑事事件」に関するご依頼者様の「感謝の声」

「刑事事件」に関する解決実績