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刑事判例紹介(36)

事案

恐喝未遂の疑いで逮捕・勾留された被疑者への接見のために、弁護人が捜査機関に接見を申し出たところ、複数回にわたり、接見を拒否された。このような捜査機関の対応が違法である等として、弁護人等は国家賠償請求訴訟を提起、上告した。

判旨(最高裁平成11年判決)

…同条3項本文にいう「捜査のため必要があるとき」とは、右接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られ、…弁護人等から接見等の申出を受けたときに、捜査機関が現に被疑者を取調べ中である場合や実況見分、検証等に立ち会わせている場合、また、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって、弁護人等の申出に沿った接見等を認めたのでは、右取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合などは、原則として右にいう取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に当たると解すべきである。…以上のとおりであるから、刑訴法39条3項本文の規定は、憲法34条前段に違反するものではない。

コメント

憲法34条前段は、身体を拘束された者について、直ちに弁護人に依頼する権利があることを保障し、これを受けて、刑訴法39条1項は、身体の拘束を受けている被疑者・被告人と弁護人等との接見交通権を保障しています。他方、刑訴法39条3項は、捜査の必要に応じた接見指定を許容していますが、本件は、接見指定制度自体が憲法34条前段、37条3項(被告人の権利)、及び38条1項(不利益供述強要の禁止)には反しないとしたものの、厳格な要件のもとでのみ接見指定が許容されると判示しており、被疑者の防御権の保障の観点から、接見指定の適法性にも限界があることを示しています。

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