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刑事判例紹介(70) – 警察犬による臭気選別の証拠能力が争われた事案

警察犬による臭気選別の証拠能力が争われた事案

被告人は、強制性交等致傷(旧 強姦致傷)罪で起訴されたが、犯人性を争った。裁判所は、警察犬の臭気選別の結果から、本件犯行が被告人によるものであるとしたが、被告人側は警察犬の選別能力等に問題があるとして、証拠能力を争った。

判旨(最高裁昭和62判決)

…警察犬による本件臭気選別の結果を有罪認定の用に供した原判決の当否について検討するに、記録によると、右の各臭気選別は、右選別につき専門的な知識と経験を有する指導手が、臭気選別能力が優れ、選別時において体調等も良好でその能力がよく保持されている警察犬を使用して実施したものであるとともに、臭気の採取、保管の過程や臭気選別の方法に不適切な点のないことが認められるから、本件各臭気選別の結果を有罪認定の用に供し得るとした弁判決は正当である。

コメント

臭気選別の原理は、未だ科学的に未解明であり、選別結果の正確性を事後的に判定することが困難です。そのため、警察犬による臭気選別の証拠能力が認められないのではないかという点が問題となりました。本決定では、①専門的な知識と経験を有する指導手によること②使用した警察犬の臭気選別能力が優れており、選別時において体調等も良好で、その能力がよく保持されていること③臭気の採取、保管の過程や臭気選別の方法に不適切な点のないことの3点を満たすことにより、警察犬による臭気選別の証拠能力を認めました。

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