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刑事判例紹介(8)

事案

殺人事件の嫌疑がある被疑者に対して、午後11時ころに任意同行を求め、徹夜の取調べが行われるとともに、途中2、30分の休憩をはさんで、およそ22時間もの長時間にわたって取調べが行われたため、このような取調べが違法である等として上告された。

判旨(最高裁平成元年判決)

刑訴法198条に基づく任意捜査の一環としての被疑者に対する取調べは、事案の性質、被疑者に対する容疑の程度、被疑者の態度等諸般の事情を勘案して、社会通念上相当と認められる方法ないし態様及び限度において、許容されるものと解すべきである。…長時間にわたる被疑者に対する取調べは、たとえ任意捜査としてなされるものであっても、被疑者の心身に多大の苦痛、疲労を与えるものであるから、特段の事情がない限り、容易にこれを是認できるものではない。…取調べが被告人の供述の任意性に疑いを生じさせるようなものであったときには、その取調べを違法とし、その間になされた自白の証拠能力を否定すべきである。

コメント

違法な取調べがなされた場合、違法性の程度によっては、取調べによって得られた自白の任意性が失われる結果、その自白調書を証拠として使用できなくなります。判例は、本件の取調べを「刑事訴訟法198条に基づく任意捜査」に位置づけた上で、厳格な要件の下でのみ許容されるとしており、任意捜査としての取調べにも限界があることを示しています。

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