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刑事判例紹介(92) – 写真自体を独立証拠として用いる現場写真の証拠能力に伝聞法則の適用があるかが争われた事案

写真自体を独立証拠として用いる現場写真の証拠能力に伝聞法則の適用があるかが争われた事案

検察側から差押え・任意提出等により取得した撮影済み未現像フィルムを現像、焼付けした写真と、報道・出版関係者から任意提出された写真が取調請求されたが、証人尋問に際して警察官が公務員の職務上の秘密を理由に撮影者等についての証言を拒否し撮影者等が明らかにされなかったため現場写真の証拠能力が争われた。

判旨(最高裁昭和59年判決)

犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又はその他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備するものであって、これを証拠として採用するためには、必ずしも撮影者らに現場写真の作成過程ないし事件との関連性を証言させることを要するものではない。

コメント

写真は機械的方法で一定の事実の痕跡がフィルム及び印画紙に残されたものであり、誤りが介在するおそれのある知覚・記憶・表現・叙述の各過程を経て提出されるものではないため、伝聞法則の適用はありません。したがって、その性質は非供述証拠であって、関連性がある限り証拠能力が認められます。本件においても現場写真には伝聞法則の適用はなく証拠能力は認められるとされました。

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